JASDAQ上場企業のINEST元代表取締役が、約1億円を不正に受領していた疑いが発覚

2017年09月22日 18時44分 公開

自己申告で判明:元代表取締役が1億円着服か JASDAQ上場企業で発覚

JASDAQ上場企業の元代表取締役が、約1億円を不正に受領していた疑いが発覚。

携帯電話ショップの予約サイトなどを運営する、東証JASDAQ上場のINEST(東京都豊島区)は9月22日、元代表取締役が計約1億円を不正に受領していた疑いが発覚したと発表した。

同日付で伊奈聰代表取締役社長から辞任届が提出され、退任した。

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INESTの公式サイト

 

同社によると、元代表取締役は2012年ごろから、同社と子会社が取引先に支払った金銭の一部、計約1億円を受領していたと、本人が自己申告したという。

社内調査を開始しており、内部調査委員会が1カ月ほどかけて調べ、結果を報告するとしている。元代表取締役は調査に全面的に協力すると表明し、既に現金6000万円を預け入れているという。元代表取締役への法的措置は内部調査委による調査結果を踏まえて検討するとしている。


INESTによる発表
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代表取締役の退任人事

 

INESTは1996年に「ベンチャー・リンクコミュニケーションズ」として設立され、05年に「ユニバーサルソリューションシステムズ」に社名変更し、JASDAQに上場。16年に現社名に変更した。携帯ショップの予約サイト「モバイル総合ナビ」などを運営するほか、傘下に宿泊予約サービスのベストリザーブなどを抱える。17年3月期の売上高は28億8300万円

ヘルスケア大学「医療記事の大量削除」が判明 信頼性批判に無言の対応

ヘルスケア大学「医療記事の大量削除」が判明 信頼性批判に無言の対応
9/29(金) 20:10配信 BuzzFeed Japan

現在、大量の記事が非公開になっている。

健康・医療情報サイトの『ヘルスケア大学』(関連サイト『スキンケア大学』を含む)が、9月29日までに600記事以上を削除または非公開にしていたことが、BuzzFeed Japan Medicalの調査でわかった。【BuzzFeed Japan Medical / 朽木誠一郎】

ヘルスケア大学の1399本の記事を対象とした調査で、631記事が説明なく非公開になっていた。
例えば、同サイトは「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」という病気について、左のように複数の記事を公開していた。

これらは9月29日現在も検索エンジン・Googleの検索結果には表示されるものの、実際にアクセスすると、すべてについて「ご指定のページが見つかりません」と表示される。

調査は病名を検索した際に表示される、同サイトの1399本の記事についておこなった。そのうちこの表示があるのは、631記事だった。

また、調査対象のうち、31記事については、「内容を再検討しております」「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」という説明が表示がされた。

削除・非公開の対応がなされていた記事には、「がん」など、命に関わる病名をタイトルにしたものも複数、確認された。

同サイトは網羅的な内容の記事を短期間で大量に用意することで、Googleのシステムへの対策をして、検索結果の上位に記事を表示させていた。しかし、その内容に誤りが含まれることが度々、問題になっていた。

また、BuzzFeed Newsでは、一時5000 人以上と謳った「参画」医師に、ほとんど実体がなかったこと、実際に記事を監修した医師が、運営の姿勢を疑問視していることなどを報じた。

DeNAが同様の手法で運営していた健康・医療サイトの『WELQ』は、大きな批判を浴び、2016年に閉鎖。南場智子会長(当時)と守安功社長が謝罪する事態となった。

一方、『ヘルスケア大学』を運営するリッチメディアは、『WELQ』閉鎖後も、抜本的な対策はしてこなかった。

過去に複数の医師らから、記事に誤りを含むことを指摘された際には、都度修正する方針を発表。

当時、一部から「全記事を非公開にして検証するべき」との指摘があっても、これには応じなかった。

今回、記事の非公開にあたって、ほとんどの記事については、同社から発表や説明はなされていない状態だ。

同サイトの記事の削除・非公開の対応を発見したのは、検索エンジン最適化(SEO)の専門家である辻正浩氏。

同氏は約10年に渡り、健康・医療情報の検索結果のデータを収集し続けており、『WELQ』の問題をいち早く指摘した。

最近のGoogleのアップデートで同サイトのような医療キュレーションサイトの順位が下落する中で、さらに不自然な変動があり、発見に至ったという。

なぜ、このような対応をしたのか。BuzzFeed Japan Medicalは9月28日にリッチメディアに取材を依頼したが、同社は回答を拒否。

9月29日、同社からは「サイトの信頼性の回復と向上」を目標に発足した「医療・健康情報の信頼性向上プロジェクト」の報告書が発表された。

この報告書には、今後の対応について以下のように説明されている。

・今後、「新・医療サイト」を立ち上げ、「医学的エビデンスや専門家の見解に基づいた」情報発信をする。

・ヘルスケア大学などの既存のコンテンツについてはスタッフによる「目視確認」をおこなう。

・3~6カ月に一度、200本程度をランダムにチェックする他、注目度の高いトピックス(話題)を随時チェックする。

ヤマダが本気で挑む「家電住まいる館」の実力 家を丸ごと提案、今年度で20店体制へ

ヤマダが本気で挑む「家電住まいる館」の実力 – 東洋経済オンライン

家を丸ごと提案、今年度で20店体制へ

2017年09月19日

今年9月、茨城県ひたちなか市にオープンしたヤマダ電機の新業態店舗「家電住まいる館」(記者撮影)

開店当日の朝、ヤマダ電機の山田昇会長は店舗を担当する三嶋恒夫副社長に電話で檄を飛ばした。「客数は改装前の倍になって当たり前だからな」。

9月8日、家電量販最大手・ヤマダ電機が茨城県ひたちなか市にオープンしたのが、新業態「家電住まいる館」だ。

ヤマダのノウハウを結集

売り場面積は約1500坪で、洗濯機やテレビなどの家電が半分を占める。残りは住宅関連だ。ソファやベッドなどの家具、食器やフライパンなどのキッチン用品も販売。新築住宅やリフォーム、不動産コーナーも併設されている。ヤマダが持つノウハウを結集した業態だ。


店内は茶色で統一され、落ち着いた雰囲気。店員は家電と家具のどちらでも接客できる(記者撮影)

新業態は山田会長自身が発案し、今年2月にプロジェクトが始動。託されたのが三嶋副社長だった。三嶋氏は関西地盤のエディオンで取締役としてリフォーム関連事業を担当していた人物。2017年1月にヤマダに入社し、6月に副社長に就任している。

三嶋氏は当初、家電とリフォームをつなげるのは難しいと考えていたが、山田会長と構想を煮詰める中で「インテリアや新築を盛り込み、家を丸ごと提案できると気がついた」と語る。

これまでリフォームや住宅はそれぞれ家電店舗の一角、もしくは単独店として展開していたが、新業態では集約。ワンストップで提案できるようにした。

ひたちなかを新業態の1号店としたのは、2年前に撤退したヤマダの空き店舗があったからだ。周辺にはケーズデンキや東京インテリア家具などの競合店があり、厳しい競争環境だ。

しかし、それゆえに業態の実力を試すには最適な立地。以前の建物をそのまま活用し、改装もわずか1週間で完了、異例の早さでのオープンとなった。

家電住まいる館は18年3月末までに神奈川、埼玉、千葉などで20店体制に広げる。すべて既存の店を改装する計画だ。三嶋氏は「絶対に成功させる」と意気込む。

■再成長の起爆剤にできるか

ヤマダは、少子高齢化や人口減少で家電の販売だけでは生き残れなくなるという危機感から早々に住宅関連へ舵を切ってきた。

2011年に住宅メーカーのエス・バイ・エル、2012年に住宅設備機器会社を買収。2013年には低価格住宅の会社を作った。今年6月には家具や食器などの販売にも乗り出した。

満を持しての新業態だが、競合首脳からは「しょせん家具店のまね事」といった厳しい声も上がる。三嶋氏は「品ぞろえでは東京インテリアやニトリに勝てない」と認めたうえで、「家電と一緒に快適な住空間を作る」と説明する。

ヤマダの業績は2017年3月期まで3期連続で減収と冴えない。はたして家電と住関連の融合は顧客に評価されるのか。新業態はヤマダの再成長に向けた試金石になりそうだ。

元法務局職員、4.7億円分の印紙横領の疑い 刑事告発

元法務局職員、4.7億円分の印紙横領の疑い 刑事告発
9/15(金) 12:15配信 朝日新聞デジタル

閣議後会見で東京法務局元事務官の不正行為について説明する上川陽子法相=東京・霞が関の法務省

東京法務局に勤務していた元職員が2006年から約10年間にわたり、登記申請書に貼り付けられていた総額約4億7千万円分の収入印紙を着服していたことがわかった。同法務局が15日、発表した。警視庁麴町署に業務上横領の疑いで刑事告発しているという。

同法務局によると、天野直樹元事務官(63)。同法務局の民事行政部や墨田出張所などで勤務していた06年1月~16年12月、計2778件の登記申請書に登録免許税として貼られていた収入印紙を、消印を押さずにはがして横領した。別の申請書から押印済みの収入印紙を切り取り、差し替えていたという。

同法務局は昨年12月、内部調査で不正が判明したとして、天野元事務官を懲戒免職処分とした。その後の調査で過去10年間、同様の行為を繰り返していたことが判明。元事務官は調査に対し、不正に入手した印紙を金券ショップで換金したことを認め、「借金の返済やギャンブルに使った」と説明したという。

上川陽子法相は15日の閣議後会見で「法務局職員としてあるまじき行為で、大変遺憾だ」と謝罪した。

三重銀・第三銀の統合会社「三十三フィナンシャル」に

三重銀・第三銀の統合会社「三十三フィナンシャル」に
2017/9/15 2:00日本経済新聞 電子版

 経営統合を基本合意している三重銀行と第三銀行は2018年春をめどに設立する共同持ち株会社の社名を「三十三フィナンシャルグループ」とする方針を固めた。15日にも発表する。人口減や日銀のマイナス金利政策で収益環境は厳しさを増しており、一体経営で経営基盤を強化する。両行は新会社の傘下に入り、当面は合併を見送る。

両行はともに三重県に本店を置く。15日にも取締役会を開き、持ち株会社の詳細を正式に決める。新会社の社長は三重銀の渡辺三憲頭取が就任する方向で調整している。

両行は2月、経営統合に向けて基本合意したと発表していた。三重銀は県北部に、第三銀は松阪市など中南部に強い地盤を持つ。統合後の2行の連結総資産は約4兆円で、三重県トップの百五銀(約5兆5000億円)に近づく。

第三銀はリーマン・ショック後の09年に300億円の公的資金の注入を受けており、統合後、返済にどう道筋をつけるのかが課題だ。三重銀は渡辺頭取が三井住友銀行出身で、旧住友銀行時代からつながりが深い。

緩和マネー、目詰まり=膨らむ預金、融資に回らず―預貸率、8年連続低下・全銀協

緩和マネー、目詰まり=膨らむ預金、融資に回らず―預貸率、8年連続低下・全銀協
9/13(水) 7:03配信 時事通信

金融機関の預金のうち、貸し出しにどの程度回っているかを示す「預貸率」の低下が続いている。全国銀行協会の集計によると、全116行の2016年度末時点の預貸率は、前年度末比1.1ポイント低下の66.9%となり、00年度末以降で最低を更新した。日銀が大規模緩和で大量に供給する資金が融資に回らず、預金に滞留する「目詰まり」が起きている。

預貸率は00年度末に80%超だったが、最近は8年連続で低下。日銀は16年2月、資金需要を喚起するためマイナス金利政策を導入したが、下落に歯止めがかかっていない。

企業は好業績で潤沢な手元資金を抱えており、低金利でも借り入れは増えにくい。一方、利回り低下で国債の運用が難しくなり、一定の利息収入が見込める預金に資金が流入している。

16年度末の預貸率を業態別に見ると、都市銀行が2.4ポイント低下の60.5%だった半面、地方銀行は1.0ポイント上昇の72.9%と明暗が分かれた。これは法人預金が都銀に集中していることが主因だ。

融資の伸び以上に預金が膨らめば、銀行の利息支払いの負担が増す。116行が16年度に支払った預金利息は、前年度比15%増の7701億円と5年ぶりの高水準に達したが、融資による利息収入はほぼ横ばいだった。融資の元手となる預金が余剰なら、貸出金利の引き下げ競争も起きやすい。大手行幹部は「大規模緩和の長期化は銀行経営の重荷になっている」と懸念している。

メルカリがシェアサイクル事業参入へ、2018年初頭に「メルチャリ」サービス開始を目指す

メルカリがシェアサイクル事業参入へ、2018年初頭に「メルチャリ」サービス開始を目指す
9/7(木) 11:40配信 Fashionsnap.com

「メルチャリ」メインビジュアル

メルカリが9月7日、オンデマンドシェアサイクル事業参入の検討を開始すると発表した。サービス名称は「メルチャリ」。今後は検討を重ね、早ければ2018年初頭に事業を開始するという。

シェアサイクル市場は中国を中心に急速に拡大中。「モバイク(Mobike)」「オッフォ(ofo)」の2社が中国から上陸するなど、日本でも広がりを見せている。メルカリでは子会社のソウゾウが運営を担当し、リアルでのシェアリングエコノミーの促進を目指すといい、フリマアプリ「メルカリ」とも連携していく可能性があるという。事業を開始した場合は、都市部からスタートする予定。

DMM、シェアサイクル事業に参入–2018年初頭までのサービス開始を目指す

DMM、シェアサイクル事業に参入–2018年初頭までのサービス開始を目指す
9/8(金) 19:38配信 CNET Japan

 DMM.comは9月8日、シェアサイクル事業「DMM sharebike(仮)」の検討を開始したと発表した。2017年末から2018年初頭にかけてのサービス開始を目指す。

民泊やカーシェアリングなど世界的にシェアリングエコノミー市場が拡大する中、2016年から中国を中心にシェアサイクル事業が活発化している。同社では、更なるリアルの場でのビジネスを展開すべく、シェアサイクル事業への参入検討を開始したという。

2016年に日本を訪れた外国人の数が2400万人を突破したことを受け、政府は東京オリンピックが開催される2020年の訪日外国人数の目標を4000万人に設定。今後の外国人観光客の増加に伴う交通インフラの整備は、急務となることが確実視されていることから、観光客の利用にとどまらない日常生活における新たな交通インフラ網を創造するべく、自治体や企業との連携を推進するという。

また、今回の事業展開にあたり、シェアサイクル文化の発展に尽力できる自治体・企業のパートナーの募集も開始した。

7月の経常黒字最大=2.3兆円、海外から配当増加

7月の経常黒字最大=2.3兆円、海外から配当増加
9/8(金) 9:02配信 時事通信

 財務省が8日発表した7月の国際収支速報によると、海外とのモノ、サービスの取引や投資収益の状況を示す経常収支の黒字額は、前年同月比19.6%増の2兆3200億円となった。黒字は37カ月連続で、7月としては過去最大だった。為替の円安により、企業が海外子会社から受け取る配当や利子などを示す第1次所得収支が、26.8%増の2兆1470億円と大きく拡大したことが寄与した。

貿易黒字は5.7%減の5666億円。輸入額は、17.7%増の5兆8345億円。液化天然ガス(LNG)や石炭など資源価格の高騰が影響した。一方、輸出額は、アジアや米国向けを中心に自動車や船舶などが伸び、15.2%増の6兆4012億円。いずれもプラスだったが、輸入の伸びが輸出を上回った。

メルカリ「夏休みの宿題」出品に見るベンチャー育成の問題点

メルカリ「夏休みの宿題」出品に見るベンチャー育成の問題点
9/5(火) 6:00配信 ダイヤモンド・オンライン

先日、公園で“フリーマーケット”が開催され、大勢の人で賑っていた。興味本位で品物を覗いてみると、雑貨から衣服、加工食品、骨董品など、ありとあらゆるものが出品されていた。中にはかなり年季の入った品物もあったが、どこも売れ行きは順調だったようだ。

最近、インターネットなどを通した個人間の取引を見ると、企業が提供しきれていないモノやサービスが多いように思う。そうした分野の潜在的な需要も大きいということだ。

そうした取引に目をつけ、個人同士で取引するネット空間=マーケット・プレイスを提供し、急成長を遂げる企業が出てきた。国内ではメルカリがフリマアプリを提供し、断トツの成長を遂げている。個人の価値を評価しあい、それをトレードすることや、ネット上で物品を査定し現金との交換を行うビジネスも登場している。

個人同士が取引を行う、C to C(Consumer to Consumer)ビジネスのプラットフォーム構築は世界的な拡大を続けるだろう。その中で、これまでの常識を覆すようなケースも増えるはずだ。

そうした新しい潮流は重要なのだが、今後、さまざまな問題が出てくることが想定される。中には、法令遵守への姿勢が問われるケースも出てくるかもしれない。ネットビジネスが急拡大する中、企業を含め社会全体でしっかりしたルール作りが必要だ。

● 急速に拡大する “C to C”ビジネス

ネット業界では、電子商取引プラットフォーム上で企業が個人に対して物品やサービスの提供を行うことが普及してきた。今、このB to Cに代わり、C to C取引のサービスが急速に発達している。

その代表格がメルカリだ。同社はインターネット上でフリーマーケットを開催するアプリ(マーケットプレイス)を提供している。このアプリを使えば、誰でも、不要なものをインターネット上のフリーマーケットに出することができる。

「なんでもメルカリに出品できる」と考える人は多いようだ。それほど、同社のサービスは支持されている。個人間で取引が成立すると、メルカリは購入者から手数料を徴収する。これが同社の収益源だ。すでに、日米合わせて7500万ものアプリダウンロード件数を達成するなど、急速な勢いでメルカリは成長している。

多くのユーザーにとってメルカリは、不要なものを現金に換える「打ち出の小槌」のようなものなのかもしれない。ある大学生は、「捨てるならメルカリに出品する」と話していた。しかも、代金支払いのやりとりはメルカリが仲介するため、代金のやり取りに関する不安や煩わしさを感じることもないようだ。こうした手軽さと安心感が多くのユーザーを引き付けている。公園のフリマに出品する労力もかからない。

海外でもC to C市場は急拡大している。米国ではLetgoやOfferupなどのベンチャー企業がC to C向けのマーケットプレイスを展開している。こうした動きを受けて、Facebookがフリーマーケット機能の“Marketplace”を開始するなど、C to C市場の競争は世界的にし烈さを極めている。

● 今後、明確化すると見られる さまざまな問題

個人同士の取引が増える中で、社会的な倫理観・価値観に照らした場合に許容されるか否か、議論の分かれるケースや、法律にも触れる恐れのあるトラブルや問題が増えている。メルカリのサイトを見ると、夏休みの宿題らしき小中高生向けの作文や読書感想文、自由研究の作品などが出品されている。本来、こうした学習課題は、児童・学生自らが取り組まなければならないことは言うまでもない。学生を教える立場から言えば、他人が作成したものを“自らの成果物”として提出することは言語道断だ。

また、メルカリやヤフオクでは象牙を使った製品が取引されている。象牙の国際取引はワシントン条約によって原則禁止されている。国内で象牙製品を取引するためには、登録または届出が必要だ。すでに中国政府は、本年末までに象牙の商用取引を全面禁止すると発表した。世界自然保護基金(WWF)はマーケットプレイスの運営業者に対して象牙製品の取り扱い停止などを求めている。社会的な価値観に照らした場合に取引に問題がないか、批判を浴びないか、ユーザーと企業双方で冷静な検証が必要と考えられる。

法令遵守への懸念もある。個人の価値を評価し、それを取引するトレーディングプラットフォームを運営するVALU社では、特定の個人が自らの価値を吊り上げた上で高値での売り逃げを狙った疑いのある案件が発生し、物議を醸した。

問題は、同社が個人の価値を株式に見立てていることだ。株式には配当の請求権をはじめとする客観的な価値=実体がある。しかし、同社のシステムに登録され、取引される個人の“価値”は、登録者と評価者の主観に左右される。円で配当が受け取れるわけではない。実体なき砂上の楼閣と取引しているというのが正確だろう。

その他にも、バンク社が運営するCASHが貸金業法に抵触するのではないかとの批判も出た。新しいネットビジネスが基本的な定義を押さえ、法令を遵守した上で運営されているかは入念に確認されるべきだ。それが社会的な信用につながる。

● 各企業のコンプライアンス強化 社会全体での法整備の加速化は急務

情報とコミュニケーション技術(ICT)の向上に伴い、従来にはないアイデアをもとに起業を試みる人は増えるだろう。それがベンチャービジネスの創出と育成につながり、競争を促進する。そうした動きが経済全体で進むようになると、わが国の潜在成長率の向上にもつながるだろう。

そのためには、新しい企業のチャレンジと、コンプライアンス=法令遵守の両立が求められる。ベンチャー企業経営者の発言などを見ていると、ごく一部ではあるものの、企業ではなくユーザーに問題があるという認識があるのではないかと感じることがある。

新しい試みであるだけに、どのような展開になるかはやってみなければわからない。しかし、それが始まった段階で企業は社会的な責任を負うことを忘れてはならない。規模の大小、歴史の長短にかかわらず、企業は社会的な公器である。各企業には個人ユーザーの法令を無視した行動を防ぎ、公正なC to C市場の育成を支える責務がある。それぞれの企業がビジネスに対する倫理観・価値観を提示し、それにそぐわないユーザーには利用を認めないといった取り組みは不可欠だ。それでも、個人の行動を100%コントロールすることはできない。性善説にのっとった発想では限界がある。

政府はこの状況に危機感を持つべきだ。世界経済フォーラムが公表するICTの国際競争力ランキングでは、法規制面の整備に関するわが国の評価が低い。企業のコンプライアンス意識の向上だけでなく、それを支える社会インフラとしての法制度の整備は喫緊の課題だ。それができないと、ベンチャー企業の育成は難しいかもしれない。

そうした取り組みこそが、規制の緩和や環境変化に対応した法規制の策定につながり、成長戦略の重要な基礎作りにつながる。新しい技術が普及し、これまでにはない経済活動が広がる中、対策を企業だけに任せることはできない。社会全体で取り組むことが必要だ。