《安倍政権5年》アベノミクスで加速した円安、景気回復との関係はあるか – THE PAGE

[写真]2013年5月、円相場が100円台に突入し、4年ぶりの円安ドル高水準に(Natsuki Sakai/アフロ)

 2012年12月に第2次安倍政権が発足して以来、デフレからの脱却を目指して、安倍首相は「アベノミクス」と銘打った経済政策を推し進めてきました。「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」を3本の矢を柱とするアベノミクスによって、円安・株高は進み、輸出産業などを中心とする大企業の業績は好転してきました。その後も国民総生産(GDP)600兆円の達成や介護離職ゼロなどを新しい3本の矢による「一億総活躍社会」などを掲げました。安倍政権は、名目GDPや企業収益、就業者数の増加などをアベノミクスの成果として挙げますが、アベノミクスの5年をどう捉えるか。岡山大学経済学部の釣 雅雄教授に2回にわたって振り返ってもらいました。2回目の今回は「円安」を中心にみます。

円安進んだが輸出数量は増えず

 安倍首相の下でアベノミクスが始まった当初、為替レートは急激に円安となり、それに伴い株価が上昇しました。為替レートは、民主党政権化の2012年の秋ごろには1ドルが80円を下回る円高水準でしたが、2013年の5月ごろに100円程度となり、さらに2年後の2015年6月には直近で最安値の125.85円となりました。

 当初期待されたのは、円安による輸出産業の回復です。確かに、円安で企業業績は回復しましたが、2つの点で日本経済にとっては必ずしもプラスとはなりませんでした。一つは輸入価格の上昇で、もう一つは、輸出数量が増加しなかったことです。

[図]国・地域別の貿易指数(輸出、数量)

 図は財務省「貿易統計」の国別貿易指数のうち、数量の指標を為替レートとともに描いたものです(ここでは統計データの季節調整を行っています)。

 為替レートは2度、大幅に円安に動いています。まず2013年前後から始まる1回目をみると、米国、EU、中国への輸出数量はいずれもほとんど変化がなく、円安との関係はみられません。円安は輸出数量を増やさなかったのです。

 さらに2015年前後の2回目の時には、米国向けの輸出数量はむしろ減少となりました。EUへの輸出はやや増加しましたが、その後に円高方向へ戻った後も変わらず増加傾向が続きました。このことから、2度目の円安も輸出数量には影響しなかったと考えます。

 最近では、円高・円安にかかわらず、海外への輸出が回復しており、特に中国への輸出数量が増加傾向にあることが分かります。

 なぜ輸出数量が重要かというと、円安によって、金額としては輸出額が増えても、数量が増えなければ生産量が増加しないからです。生産量が増加しなければ人手は必要ないので、企業の利益が増加したとしても雇用への効果は限られます。日本全体では雇用増がみられるものの、製造業に限ればその伸びはほとんど見られず、雇用者数は2012年の1033万人から2016年の1045万人へと微増にとどまっています(「労働力調査」)。たとえば、少しさかのぼった2002年には1202万人という水準でしたから、この程度の増加では、中期的な減少傾向の歯止めとはいえるものではありません。

 では、なぜ最近になって輸出数量が増加しているのでしょうか。おそらくこれは海外経済の回復によるものです。逆のケースですが、たとえば、2011年から2013年にかけては、米国への輸出が減少していないのに対して、EUや中国への輸出は減少しました。この時期、EUはギリシャ危機などの債務危機が発生しており、景気が悪化していました。中国はEUへの輸出が多く、それが減少し、その影響で日本から中国への輸出も減少したのです。すなわち、輸出数量の変化は、海外経済の景気によるところが大きいのです。

 私たちは円安と日本の景気を結び付けて考えがちですが、実際にはそれほどの関係はありません。企業業績は上昇するものの、生産を必ずしも増やしません。一方で、輸入品価格が上昇し、例えば、円建てのエネルギー価格の上昇で電気代やガソリン代が上がってしまいます。このことは、名目賃金が上がらない中では、実質賃金が低下する原因になってしまいます。実質賃金は名目賃金を物価水準で割った値のことで、簡単に言うと、その賃金でどの程度財・サービスを購入できるかの量の指標です。物価高の生活への影響を捉えているともいえます。

 円安の主な原因は米国の金利上昇ですが、日本銀行が金利を低く抑えていることも影響しています。金融緩和政策は円安という面でも、総合的には日本経済にとってそれほど良いとは思えません。

熊本地震から1年半 農業復興 なお遠く 南阿蘇村立野地区 – 日本農業新聞

地震後に営業を断念したままのイチゴハウスを見つめる村上社長(熊本県南阿蘇村で)

 熊本地震で大きな被害に遭った熊本県南阿蘇村立野地区で、地震から1年半がたった今もなお、農業への復興が見通せない状況が続いている。断水が一部で解消し、新たに道路が開通するなど、生活インフラは徐々に復旧。一方、水稲や園芸など農業はほとんどが再開できていない。復興への道のりは見えないまま、終盤戦に突入した衆院選にも冷めたムードが漂う。
 

業者不足、着工できぬ

 昨年4月16日の本震で阿蘇大橋が落ちるなど、深刻な被害が出た同地区。新たな橋の建設工事に伴い、田畑の一部には山のように土砂が積まれている。

 「インフラは少しずつ復旧したものの、農業での収入はほとんど途絶えたままで、経営再開にはまだまだ時間がかかりそうだ」。被災前に地区の8ヘクタールで水稲やイチゴなどを栽培していた木之内農園の村上進社長は、ため息をつく。

 農地の崩落・陥没や工事のための用地提供で、経営面積の7割は使えなくなった。現在は試験的に栽培する夏イチゴなどをわずかに営むだけ。地震の直接の被害額は億単位に達し、その後の収入も断たれた。蓄えを崩す生活が続く。

 水道や道路は徐々に復旧したが、農業の復興は遅れている。地震後に長く続いた断水は、国土交通省や民間企業が掘削した井戸などが使えるようになり8月以降、一部で解消。地区全体で毎分300リットルを得られるようになったが、「あくまで応急復旧」(村上社長)。農業用水として被災前と同じ面積を潤すことはできない。水道の全面復旧のめどは立っていない。

 同月には、農園のそばに村の中心部に続く新たな道も開通した。通行量が多く、観光客を引き込みたい農園にとっては追い風だ。道沿いに80アールのハウスを新設する計画もある。

 だが、ただでさえ不足していた工事業者は、7月の九州北部豪雨など近隣で災害が相次いだことを受け、一層の不足が懸念される。村上社長は「年度内に建てなければ補助が受けられないが、このままでは間に合わない」と気をもむ。

 

避難解除申請も営農再開に不安

 地区全体の農業も復興とは程遠い。地元住民らが手掛けていた水田は、一本の稲も植えられないまま2年目の秋を迎えた。

 水道や道路の応急復旧を受け、村は31日、地区の357世帯に出していた長期避難世帯指定の解除を県に申請する。「村外などに避難していた住民が、再び地区に戻れるようになる」(村復興推進課)。だが、村上社長は「水道の完全復旧は数年先。長い間作付けできなかった高齢農家が再び営農してくれるだろうか」と不安視する。

 地震の爪痕が残り、復興が見通せない中で浮上した衆院選に、冷めた雰囲気も漂う。「選挙どころではないというのが正直なところ。政局絡みの話ばかりで、復興策も見えてこない」と村上社長。「このままでは未来はない。村や県、国はどう考えているのか。道筋を示してほしい」と語気を強める。(松本大輔)

[2017衆院選][注目の選挙区 5] 秋田3区 米政策で農家が審判 – 日本農業新聞

候補者の演説を聞く農家ら(秋田県東成瀬村で)

 秋田3区は、自民党前職で農林部会長代理を務めた御法川信英氏と、旧・民進党から希望の党に移り出馬した前職、村岡敏英氏が5度目の対決をする。穀倉地帯を抱える同選挙区の大きな関心の一つが米政策だ。全国有数の米産地、大仙市出身で5選を目指す御法川氏に対し、旧・民進のネクスト農相で小選挙区での初勝利を目指す村岡氏の舌戦が連日、繰り広げられている。

 激突した過去4回の選挙のうち、御法川氏は2014年衆院選で5600票差の接戦で村岡氏を制した。県農協政治連盟(農政連)も両氏が掲げる農業政策を評価し、推薦候補者を置かずに自主投票としている。

 大仙市で10日にあった御法川氏の出陣式には、地元の首長やJA幹部ら700人が出席。「数十階建ての都庁から見下ろして地方創生と言ってもらっては困る」と希望の公約をけん制。「秋田を日本一の米産地にするチャンス。秋田のための政策を必ず実行する」と強調。実需者ニーズを捉えた播種(はしゅ)前契約や、需要の高い業務用米の取り組みで「農業を成長分野に変え農家の所得向上を目指す」と語る。

 「代々受け継いでいる米を作り続けたい」と語る60代の米農家は、人口減少が進む現状から「農家の声に耳を傾け、需要に応じた生産を確実に進める施策を打ってもらいたい」と期待する。

 一方、旧・民進でネクスト農相を務めていた村岡氏は、地元・由利本荘市から支持基盤を固める。農業を「国民の健康と命を守る産業」と考える村岡氏は生産調整の見直しについて「農家は今まで政府の指示に従い米を作ってきた。国の関与が薄くなれば農家が壊れてしまう」と批判。希望が公約に明記した食料自給率50%達成で、農業再生の必要性を訴える。

 過去2回とも比例復活した村岡氏。安倍農政の不満票の受け皿として、希望からの出馬で選挙区での当選を狙う。

 共産党新人の冨岡昭氏は、消費税増税、憲法改正に反対。「増税により国民の暮らしは成り立たなくなる。大企業を優遇する政治を正す」と唱える。

 保守王国とされる選挙区だが、安倍政権が掲げる「アベノミクス」の効果が地方で表れていないことから「農政だけでなく、森友・加計問題への対応を含め不満の声も多い」(60代の大規模米農家)のが実態。選挙戦後半に入る中「農家をリードする議員に票を投じたい」(60代の別の米農家)との声も飛ぶ。

 立候補者(届け出順)

 村岡 敏英 57 希前 元農水委理事

 御法川信英 53 自前 元財務副大臣

 冨岡  昭 67 共新 党県書記長

[2017衆院選][争点を追う 5] 酪農・畜産 貿易交渉に不信感 – 日本農業新聞

度重なる貿易交渉で経営の先行き不安を訴える矢萩さん(北海道鹿追町で)

北海道 中長期の展望示せ

 北海道鹿追町で乳雄牛3300頭を飼育する農事組合法人・笹川北斗農場の矢萩和幸組合長は、TPPや日欧EPAなど、政府の交渉姿勢や、その結果に不信感を募らせる。

 自民党は、2012年12月の衆院選でTPPについて「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対する」と公約したが翌年、交渉参加を表明。国会決議違反との批判が上がる中、15年には大筋合意に至った。矢萩組合長は「政府は、国産の農畜産物を経済のために犠牲にしてきた。対策は当然だが、中長期的な展望や方向性を具体的に示すべきだ」と、語気を強める。

 同町が管内のJA鹿追町は酪農・畜産農家と一体で、過去10年間で肉用の乳雄牛の飼養頭数を1・7倍の約5200頭に拡大。量・質ともにブランドを高めるため、懸命の努力を続けてきた。

 だが、国産乳雄牛肉は、価格面で米国やオーストラリアなどの海外産と競合する。これまでの貿易交渉のたびに経営への影響不安を募らせる。

 TPPで牛肉は、現行の関税38・5%を発効16年目に9%に削減し、輸入急増に対するセーフガードの発動基準量を拡大。TPP11で見直しが進む。日欧EPAでも同水準の結果となったが、いまだに影響試算や具体的な対策は示されていない。

 

万全対策欠かせぬ

 全国の生乳生産量の半分以上を占める北海道の酪農現場にも不安が渦巻く。7月には日欧EPAの大枠合意に至り、チーズや牛肉など農畜産物の関税削減、撤廃などが明らかになった。道産生乳の8割がチーズなどの乳製品に向けられるため、日欧EPAで環太平洋連携協定(TPP)以上に譲歩したチーズへの悪影響を懸念。万全な対策を求める声が上がる。

 北海道は9月上旬、日欧EPAの大枠合意に伴い、道内農業への影響と必要な対策を記した中間取りまとめを発表。チーズは、道内の酪農家や工房が作るチーズとの競合、プロセス原料用ハードチーズの輸入増への懸念を明らかにした。だが、財政当局は17日、予算の圧縮を求める提言をまとめた。

 根室地方別海町で乳牛100頭ほどを飼う林義和さん(56)は「乳価は微増しているが、機械や資材、建設費は高騰している。中小規模の家族経営を支援する対策が必要だ」と指摘。国産乳製品の再生産可能な体質強化対策や、経営安定対策、国産チーズの競争力強化対策が求められている。

 

[2017衆院選][争点を追う 4] 中山間振興 大規模偏重 募る不満 – 日本農業新聞

広島 地域実態踏まえよ

 広島県北西部に位置する安芸高田市の市街地から車で5分。田と田の段差は5メートルほどもあり、急傾斜のあぜが、壮観な風景をつくり出している。

 「こんな場所で炎天下にやる草刈りは本当に大変。慣れていないと危険だ」と苦労を語るのは、同市向原町戸島地区の平田道雄さん(63)。5戸7ヘクタールで、中山間地域等直接支払制度の協定を13年間続けてきた。認定農業者や法人はおらず、各自の土地は自ら管理。作業できない人が出れば、力を合わせて担ってきた。

 安倍政権は、担い手への農地の集積・集約を推し進める。だが、中山間地域では、支援対象を大規模経営体に絞り込む農政への不満が募る。地域政策の柱に位置付ける中山間地域等直接支払制度も、活動は縮小傾向だ。

 同市の15年度の協定数は187と、前年度から22減少。協定面積は1985ヘクタールと2割も減った。市は「人手不足で活動を続ける余力がない」(産業振興部)という。

 平田さんらは今年、高齢化で農地の管理が難しくなった近隣の集落(5ヘクタール)を協定に加えた。夏には草が伸び切って景観が悪く、獣のすみかになれば他にも影響が出る。 「大規模な担い手といった点の政策だけではなく、地域をカバーした面の政策が必要だ」と平田さんは要望する。

 安倍晋三首相が「息をのむほど美しい」と賞賛する棚田の景観を守る基盤は、揺らいでいる。

 

農地集積に限界感

 高齢化は勢いを増す。全国の総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は、2000年の17・4%から16年は27・3%に上昇(内閣府)。中山間地を多く抱える中国各県は30%前後と、全国平均を超える。

 高齢化による集落機能の弱体化で、担い手にしわ寄せが来ている。広島県安芸高田市の羽佐竹農場は10集落、約50ヘクタールを借り受ける。20代を含む5人を雇用。市を代表する担い手だが、一層の集積には慎重だ。

 松川秀巳代表は「頼まれるのは、機械が入れず水利も悪い農地ばかり。国が期待する面的集約は簡単じゃない」と理由を語る。草刈りや水路補修、鳥獣害対策の資金、労力はほとんど持ち出し。生産に専念できる環境ではない。

 政府は13年、担い手の米生産費を10年で4割減らす(60キロ当たり約9600円)目標を提示。実現に向け、担い手の農地利用率を5割から8割に高めるとし、14年度に農地中間管理事業を始め集積を進めてきた。

 松川さんは「中山間地にはそぐわないやり方」と訴える。同市では担い手の農地利用率は3割未満。「兼業や小規模の農家がやめたら、農地や水路は誰が面倒を見るのか。われわれには無理だ」と心配する。

 広島大学大学院助教の小林元氏は、現政府の姿勢を「米を60キロ1万円で作れる大規模経営体しか相手にしていない。切り捨ての農政だ」と指摘。集落機能の弱体化が加速する事態を危惧する。

新燃岳 長引く噴火 観光客減が農家直撃 作物洗浄も負担に 宮崎 – 日本農業新聞

新田さんが朝に収穫した「シャインマスカット」。袋に灰が付着している(15日、宮崎県高原町で)

 宮崎・鹿児島の県境にある新燃岳(しんもえだけ)の噴火で、地域の農家が農作物に付着した灰の洗浄などの対応に追われている。果実では汚れが目立つと商品価値が落ちかねない。収穫体験をメインにする観光農園では、農産物は無事でも客足が遠のく影響が出始めた。「いつまで耐えればいいのか」。農家は一刻も早い火山活動の沈静化を望んでいる。

 新燃岳は11日、6年ぶりに噴火を観測。13日に気象庁は「噴火停止」を発表したが、14日早朝に再噴火した。新燃岳の東に位置する宮崎県高原町の果樹農家・新田要作さん(69)の園地は、火口から8キロの位置にあり、大量の灰が降り注いだ。15日の朝に収穫したブドウ「シャインマスカット」は、房に掛けた袋が灰まみれだった。

 新田さんの収益の柱は観光客への収穫体験。噴火前は1日当たり30組いた利用客が、今はその1割以下に落ち込んでいる。袋の中のブドウの品質に影響はないが、「農産物が無事でも人が来なければどうしようもない」とこぼす。わずかに訪れる観光客も「急いで帰らないと危ない」と逃げるように園を後にすることもあったという。妻の光子さんは「14日の再噴火が追い打ちになった」と暗い顔で話す。

 同町の柿農家、池崎市郎(78)さんは15日、雨が降る中で柿についた灰を洗い流す作業に追われた。実をバケツの中で一玉ずつ丁寧に洗うため、収穫の時間は通常の2倍かかるという。園にある柿「富有」はちょうど最盛期を迎えたところだった。懸命に作業する池崎さんだが、「高齢で手が回らない。早く噴火が収まってほしい」と願う。

 鹿児島管区気象台によると、15日午後4時現在、厚い雲に覆われて噴煙の高さは確認できないが、「現在も火山活動は活発」(火山課)な状態。噴火の鎮静化まではまだ時間がかかりそうだ。 

日本株は連日高値更新、リード役は好決算のFリテ-2万1000円乗せる – ブルームバーグ

13日の東京株式相場は続伸し、主要株価指数が連日で年初来高値を更新。好決算が評価されたファーストリテイリングやセブン&アイ・ホールディングスなど小売株が高く、空・海・陸運株、食料品や電機株も上げた。日経平均株価は1996年11月以来、約21年ぶりの2万1000円乗せ。

  TOPIXの終値は前日比8.49ポイント(0.5%)高の1708.62と5日続伸し、2007年7月以来の高値水準。日経平均株価は200円46銭(1%)高の2万1155円18銭と、昨年12月の記録に並ぶ9日続伸。

  アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最高投資責任者は、「北朝鮮や米国の債務上限問題など相場の頭を抑えていたリスク要因がなくなった中、もともと良好なファンダメンタルズを反映した上昇が続いている」と指摘。今後発表が本格化する国内企業の上期決算も、「好調な内容が示されると思われ、先取りしている動きもある。あと1カ月程度は堅調に推移しよう」との見方を示した。

  週末の日本株は好決算評価の動きと前日の米国株や原油市況の下落、5月以来の過熱水準にあった騰落レシオなどテクニカル指標を懸念する動きが交錯し、高安まちまちで開始。しかし、売り圧力を吸収し午前後半以降に堅調さを増すと、午後は一段高となった。

  日経平均は先物主導で午後に一時256円高の2万1211円まで上げ幅を拡大。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、「2万1000円をトリガーとするリンク債のヘッジ外しやコールオプションの売りを先物の買いでヘッジする動きが出ている」との見方を示していた。

  需給的要素とともに、株価指数を押し上げたのが好業績銘柄を評価する動きだ。日経平均の押し上げ寄与度上位を見ると、Fリテイリや花王、7&iHDがランクイン。Fリテイリ1銘柄で71円押し上げ、きょうの日経平均上げ分の3割強を占めた。Fリテイリの18年8月期の営業利益計画は前期比13%増の2000億円と、市場予想の1955億円を上回った。SMBC日興証券は、海外収益性の改善が進んでおり、ポジティブと評価した。花王は、アジア事業の成長や株主還元の拡充期待から野村証券が投資判断を「買い」に上げた。大引けにかけ失速したものの、米子会社スプリントの統合を巡る思惑などで最近活況なソフトバンクグループは、一時2000年以来の1万円大台に乗せた。

  東証1部33業種は空運、小売、その他金融、ゴム製品、陸運、証券・商品先物取引、電機、食料品など27業種が上昇。繊維やサービス、鉱業、保険、輸送用機器、パルプ・紙の6業種は下落。売買代金上位では中国の青島ビール株の譲渡検討を始めたアサヒグループホールディングス、上期営業利益が市場予想を上回った7&iHDが買われ、SUMCOやスズキ、安川電機も高い。半面、データ改ざん問題の神戸製鋼所は大幅反落し、ジェフリーズが判断を弱気に下げたマツダ、完成工事高の下期減速の可能性が懸念された大東建託も安い。

  この日の取引開始時は株価指数オプション10月限の特別清算値(SQ)算出で、ブルームバーグ・データの試算では、日経平均型で2万0957円62銭と前日終値を2円90銭上回った。

  • 東証1部の売買高は18億4795万株、売買代金は3兆2810億円、代金はSQの影響から5月8日以来、5カ月ぶりの高水準に膨らむ
  • 値上がり銘柄数は1206、値下がりは723
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【米国株・国債・商品】S&P500種は小反落、原油も下げる – ブルームバーグ

12日の米株式相場は小反落。米税制改革の行方と連邦公開市場委員会(FOMC)の次の政策を見極めたいとの思惑が強かった。

  • 米国株は小反落、税制改革と金融政策の行方を注視
  • 米国債は上昇、ガソリン高でPPIは大幅上昇
  • NY原油は反落、IEAが供給だぶつき解消の見通しに懐疑的な見方示す
  • NY金は5営業日続伸、FOMC議事録でハト派に傾斜と判断
  •   S&P500種株価指数は取引時間中の最高値を更新したものの、下げに転じた。原油安を背景にエネルギー株が下落し、AT&Tが7-9月(第3四半期)のテレビサービス契約者の大幅減少を明らかにしたため、通信サービス株が大きく下げたことが影響した。決算を発表したJPモルガン・チェースとシティグループも安い。米国債利回りは低下した。米労働省は9月の米生産者物価指数(PPI)がガソリン価格の急騰を反映して5カ月ぶりの大幅上昇となったと発表した。

      S&P500種株価指数は前日比0.2%安の2550.93で終了。ダウ工業株30種平均は31.88ドル(0.1%)下げて22841.01ドルで終えた。ニューヨーク時間午後5時現在、米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.32%。

      ニューヨーク金相場は5月以降で最長の5営業日続伸。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で低インフレへの懸念が強まりつつまる状況が示唆されたことが背景。ニューヨーク時間午後2時26分現在、金スポット相場は前日比0.2%上げて1オンス=1294.49ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物は0.6%高の1296.50ドルで終了。

      ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。米エネルギー情報局(EIA)の統計では予想以上の米原油在庫の減少が示されたものの、国際エネルギー機関(IEA)は世界的な供給だぶつきの解消見通しに疑問を投げ掛けた。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比70セント(1.4%)安の1バレル=50.60ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント12月限は69セント下げて56.25ドル。

      トランプ政権の税制改革の行方は依然として不透明だ。大統領は既存の枠組みの一部について不満を表明したと関係者が明らかにした。議会共和党の一部からも懸念が表明されているが、ムニューシン財務長官は年内の法案通過に対して自信をあらためて示した。

      エバーコアISIのポートフォリオ戦略責任者、デニス・ディバッシャー氏は「税制改革のプロセスにかなり注目が集まっている。13日発表の消費者物価指数(CPI)後の全てのインフレ指標も注目材料だ」と指摘した。

    原題:Stocks Turn Lower, Dollar Gains as Crude Oil Drops: Markets Wrap(抜粋)
    PRECIOUS: Gold Set for Longest Rally Since May on Dovish Fed(抜粋)
    Oil Dips as U.S. Output Gains Signal No End to a Persistent Glut(抜粋)

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    [2017衆院選][党首脳に聞く 1] 所得向上に注力 米生産調整へ全国組織設置 自民党 二階俊博 幹事長 – 日本農業新聞

    自民党 二階俊博 幹事長

     第48回衆院選が始まった。4年10カ月の安倍政権による農政改革の是非が問われる。各党首脳に農業・農村政策で何を訴えるか聞いた。

     ――衆院選の争点は何ですか。

     わが国が直面する課題について国民に理解いただくよい機会だ。特に農政問題は、自民党の最重点課題の一つ。農家と一緒に日本の農業に元気がつくように努力していく。党は、東京都青梅市で田んぼを借りて国会議員自ら田植えや稲刈りをする「米作りプロジェクト」を始めた。農業の実態を知らずして農政を語るなかれだ。口先だけの政策発表ではなく気持ちの通じた農業政策をやっていきたい。

     ――どんな農政を目指しますか。

     自民党が目指すのは「農業者所得の向上」だ。所得が上がれば若者が農村に定着し、地域が元気になる。水田フル活用や輸出などあらゆる政策を講じていく。収入保険を2019年から始める。民主党政権で削られた土地改良予算は、補正を合わせてようやく削減前の水準を回復できたが、さらに増額を目指さなければならない。

     ――米の生産調整見直しが控えています。

     米農家の所得向上のためには需給と価格の安定が極めて大事だ。公約では、関係団体が需給に応じた生産に取り組む全国的な推進組織の立ち上げ支援を盛り込んだ。飼料用米など戦略作物の本作化に向けた水田フル活用の予算を産地交付金を含め与党の責任で恒久的に確保する。収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)は安定的に実施していく。

     ――欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)にどう対応しますか。

     農家の不安を払拭(ふっしょく)できるよう万全の対策を進める。政府は秋にTPP(環太平洋連携協定)関連政策大綱を見直す方針で、党としてもしっかり議論し、対策を盛り込んでいきたい。牛・豚の経営安定対策(マルキン)は早期に拡充する努力をしていく。

     ――政府の規制改革の在り方に現場に不安があります。また、農協改革への対応は。

     やはり農業に携わる皆さんに寄り添った政策でなければ駄目だ。(規制改革の在り方は)しっかり注意していきたい。

     JA全中会長は私の地元出身だ。若い頃から有無相通ずる仲だが、彼がその大役をお引き受けになられたということで私も責任を感じている。しっかり対応していきたい。農協改革は、JAグループがさまざまな工夫をしながら農業生産の拡大、農業者の所得増大、地域の活性化に努力されていることはよく承知している。自民党としてJAグループの自己改革に敬意を表し、後押ししていきたい。(聞き手・西野拓郎)

    10月12日の海外株式・債券・為替・商品市場 – ブルームバーグ

    欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

    ◎NY外為:ポンド上昇、EU離脱巡る報道で乱高下-ドル小幅高

      12日のニューヨーク外国為替市場ではドルが小幅高。市場の注目は、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る動向で乱高下したポンドに集まった。

      ポンドは離脱交渉に関するドイツ紙ハンデルスブラットの報道を受けて大きく上昇し、ドルに対し0.5%上げて日中高値をつけた。報道は、EU側交渉責任者のミシェル・バルニエ氏が英国に2年のEU市場アクセス維持と移行期間を設けることを提案するというもの。これによりポンドは、交渉が暗礁に乗り上げたとする前日のバルニエ氏の発言を受けたそれまでの大幅な下げを全て埋めた。

      ニューヨーク時間午後5時現在、ポンドはドルに対し前日比0.3%上げて1ポンド=1.3262ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇。ドルは対ユーロで0.2%高の1ユーロ=1.1830ドル。

      英紙フィナンシャル・タイムズは、EUの指導部がバルニエ氏に、離脱の移行期に関する取り決めと離脱後の英国との関係に関する「内部の予備協議」を開始するよう勧めたと報じた。その前には、クロス取引を巻き戻し円やユーロなどの通貨を買う動きが広がる中、ポンドはドルに対し一時は0.8%安となっていた。

      ドル指数はこの日、9月の米生産者物価指数(PPI)発表後に日中高値をつけた。食品とエネルギーを除くPPIコア指数が前月比で0.4%上昇、前年同月比では2.2%上昇し、いずれも市場予想を上回る伸びとなった。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で低インフレに対する懸念を一部参加者が示したことが議事録で判明したため、13日に発表される9月の消費者物価指数(CPI)と小売売上高が市場関係者の注目を集める。

    欧州時間の取引

      欧州時間にはポンドがドルに対し4営業日ぶりに下落し、一時は0.8%安の1.3122ドルをつけた。EUのバルニエ氏は記者会見で、離脱時に英国がEUに支払う額について「暗礁に乗り上げた」と語った。ポンドはユーロに対しても下落した。

      クレディ・アグリコルのCIB部門でG10通貨調査責任者を務めるバレンティン・マリノフ氏(ロンドン在勤)は、「バルニエ氏は歯に衣を着せずに話している」と述べ、ポンドは「この発言を受けて下げた」と指摘。「ポンド見通しは引き続き政治と経済の関数になっている」との見方を示した。
    原題:Pound Rallies on Brexit Development; Dollar Pares Gains(抜粋)
    Pound Slides as EU’s Barnier Says Brexit Talks at ‘Deadlock’(抜粋)

    ◎米国株・国債・商品:S&P500種は小反落、原油も下げる

      12日の米株式相場は小反落。米税制改革の行方と連邦公開市場委員会(FOMC)の次の政策を見極めたいとの思惑が強かった。

  • 米国株は小反落、税制改革と金融政策の行方を注視
  • 米国債は上昇、ガソリン高でPPIは大幅上昇
  • NY原油は反落、IEAが供給だぶつき解消の見通しに懐疑的な見方示す
  • NY金は5営業日続伸、FOMC議事録でハト派に傾斜と判断
  •   S&P500種株価指数は取引時間中の最高値を更新したものの、下げに転じた。原油安を背景にエネルギー株が下落し、AT&Tが7-9月(第3四半期)のテレビサービス契約者の大幅減少を明らかにしたため、通信サービス株が大きく下げたことが影響した。決算を発表したJPモルガン・チェースとシティグループも安い。米国債利回りは低下した。米労働省は9月の米生産者物価指数(PPI)がガソリン価格の急騰を反映して5カ月ぶりの大幅上昇となったと発表した。

      S&P500種株価指数は前日比0.2%安の2550.93で終了。ダウ工業株30種平均は31.88ドル(0.1%)下げて22841.01ドルで終えた。ニューヨーク時間午後5時現在、米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.32%。

      ニューヨーク金相場は5月以降で最長の5営業日続伸。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で低インフレへの懸念が強まりつつまる状況が示唆されたことが背景。ニューヨーク時間午後2時26分現在、金スポット相場は前日比0.2%上げて1オンス=1294.49ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物は0.6%高の1296.50ドルで終了。

      ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。米エネルギー情報局(EIA)の統計では予想以上の米原油在庫の減少が示されたものの、国際エネルギー機関(IEA)は世界的な供給だぶつきの解消見通しに疑問を投げ掛けた。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比70セント(1.4%)安の1バレル=50.60ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント12月限は69セント下げて56.25ドル。

      トランプ政権の税制改革の行方は依然として不透明だ。大統領は既存の枠組みの一部について不満を表明したと関係者が明らかにした。議会共和党の一部からも懸念が表明されているが、ムニューシン財務長官は年内の法案通過に対して自信をあらためて示した。

      エバーコアISIのポートフォリオ戦略責任者、デニス・ディバッシャー氏は「税制改革のプロセスにかなり注目が集まっている。13日発表の消費者物価指数(CPI)後の全てのインフレ指標も注目材料だ」と指摘した。
    原題:Stocks Turn Lower, Dollar Gains as Crude Oil Drops: Markets Wrap(抜粋)
    PRECIOUS: Gold Set for Longest Rally Since May on Dovish Fed(抜粋)
    Oil Dips as U.S. Output Gains Signal No End to a Persistent Glut(抜粋)

    ◎欧州株:ほぼ変わらず-スペイン情勢とFOMC議事録に注目

      12日の欧州株式相場はほぼ変わらず。最新のスペイン情勢を見極めようと様子見姿勢がとられたほか、米利上げの手掛かりとなるFOMC議事録が注目された。

      指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%未満高の390.28で終了。業種別19指数のうち14指数が値上がり。構成銘柄で上昇したのは369銘柄、下落したのは214銘柄。

      ドイツのDAX指数は初めて1万3000の大台に乗せた後、終値での最高値を更新。

      スペインのIBEX35指数はほぼ変わらず。ラホイ首相はカタルーニャ自治州政府のプチデモン首相に対し、スペインからの独立を宣言したかどうかについて5日以内に明確化することを求めた。

      その他の主要指数では、英FTSE100指数が0.3%高。フランスのCAC40指数はほぼ変わらず、イタリアのFTSE・MIB指数は0.7%下げた。
    原題:European Stocks Steady as Investors Weigh Spain, FedMinutes(抜粋)

    ◎欧州債:イタリア国債が上昇-改正選挙法巡る信任投票可決で

      12日の欧州債市場ではイタリア国債が大きく上げた。同国議会で反体制派「五つ星運動」に不利となり得る改正選挙法を巡る3つ目の信任投票が可決されたことが背景にある。

      スペインを除く他のユーロ参加国の国債も買われ、利回りは2-3bp低下。ECBのプラート理事が基調的なインフレ圧力はまだ弱いと述べた。

      ドイツ10年債利回りは2bp低下の0.45%、イタリア10年債利回りは4bp下げ2.12%。一方、スペインの10年物利回りは1bp上昇し1.64%。

      イタリア議会は13日までに改正選挙法を巡るもう1つの信任投票を秘密投票で行う。これはより大きな試練となる可能性がある。
    原題:Italy Leads Gains in European Bonds; End-of-Day Curves,Spreads(抜粋)

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