Vol.548(2017年23・24号)発売 – ハウジング・トリビューン オンライン

2017年 住宅産業重大ニュース

胎動する新たな潮流
2018年への伏線を見極める

2017年も残りわずかとなった。振り返るとこの一年、住宅業界では様々な出来事があった。1年以上にわたって増加を続け、新築住宅市場を牽引してきた賃貸住宅がついに減少に転じ、新設住宅着工戸数にも影を落としている。

住宅業界では2019年10月の消費税増税によって発生する駆け込み需要をにらみ、一次取得者層に向けた提案が活発化してきた。

中長期的に住宅市場の縮小が見込まれるなか、ハウスメーカーの間では多角化戦略が加速している。2017年はストック活用に向け、既存住宅流通の活性化や空き家活用で国の新たな制度も立ち上がった。

一方、訪日外国人の宿泊ニーズに対応するため、住宅業界でも宿泊施設が注目されている。事業領域を拡大するため、中大規模木造建築に取り組む企業も出てきている。

ただし、職人不足が深刻化しており、住宅・建設業界への入職を増やす手立てが求められている。住宅の省エネ化がいっそう求められるなか、2017年はZEHに取り組む事業者が目立った。暮らしのなかに急速に浸透するIoTへの対応も加速した。

様々な分野で新たな潮流の胎動が見られた1年だった。2018年はそんな潮流がより激しさをましそうだ。

目次

HTʼS EYES

「農ある暮らし」を郊外の価値に
どこでもスマートスピーカー

2017年住宅産業重大ニュース
胎動する新たな潮流 2018年への伏線を見極める

ついに賃貸住宅が減少局面に 新設住宅着工戸数にも影響
ハウスメーカー中心に構造改革が急ピッチ 企業再編、M&A、ゼネコン化など
既存住宅流通の活性化へ 新制度、新提案が相次ぐ
空き家活用のインフラが整備 情報活用や資金調達の仕組み構築
新たな住宅セーフティネット制度がスタート 既存ストックを有効活用
高まる宿泊施設の新規開発ニーズ 訪日外国人の需要取り込みへ
ますます盛り上がる中大規模木造市場 耐火のハードル解消へ法整備が進む
深刻度増す職人不足問題 キャリアパスの見える化などで入職者増に期待
省エネ施策の強化でZEH化が加速 建築物省エネ法の規制措置も施行
暮らしのIoT化が急速に進展 異業種も含めた取り組みが加速

TOPICS&NEWS

住宅へのスマートスピーカーの導入が加速
埼玉県住まいづくり協議会が既存住宅流通を促進
集成材などのJASに保存処理の項目が追加

スマカチだより スマカチ総研が11月に第28回シンポを開催
ネットワーク型宿泊施設"hanare"をテーマに地域活性化の"極意"を解説

動き出す、リノベーションまちづくり
国土交通省と民都機構がファンド支援事業で後押し

地盤リスクゼロへの挑戦
信頼性を高めた調査・対策工法で より安心・安全な住宅を実現

CLOSE UP

ポラスグループ 中央住宅 西大宮で分散型分譲事業を開始

増木工業 生産緑地でコミュニティ形成型住宅 全73戸の分譲住宅の販売を開始

連載

新・住まい学「デザイン思考と住まい」【後編】
フラワー・ロボティクス 代表 松井龍哉 氏

PICK UP

大和ハウス工業 スマートスピーカーで家電・設備を自在にコントロール
アキュラホーム 中大規模木造建築の支店社屋が完成 一般大工による施工で実現

Channeling Data

ダニアレルギー対策会 「通年性・季節性アレルギー性鼻炎患者の意識・実態調査」

FLASH

積水化学工業 創業70周年を記念し技術フォーラム開催
ポラス 南越谷阿波踊りの活動がメセナアワードで優秀賞
すてきナイスグループ 戸建住宅の販売が好調、年間1000棟も視野に
TOTO 2022年度までの新中計を策定 リフォーム、海外、新領域で売上7200億円へ
アールシーコアBESS事業本部 売上高200億円達成に向け新施策を展開
神谷コーポレーション フルハイトドアでアートとコラボ
カナダ林産業審議会 中大規模木造建築のデザインアワード開催へ
機能ガラス普及推進協議会 防災安全ガラスの普及促進へ

三重県 9月の新設住宅着工 – 建通新聞

 三重県の新設住宅着工統計によると、2017年9月の住宅着工戸数は899戸で、前年同月比5・3%増となった。
 利用関係別に見ると、持ち家が444戸で同9・2%減、貸家が307戸で同17・6%増、分譲住宅が131戸で同31%増。

トーソーは戻り高値圏、18年3月期予想に上振れ余地、低PBRも見直し – 財経新聞

 トーソー<5956>(東2)はカーテンレールやインテリアブラインドの大手である。室内装飾関連事業を主力に介護用品事業も展開している。18年3月期営業大幅減益予想だが、第2四半期累計が営業増益だったことを考慮すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は戻り高値圏だ。0.5倍近辺の低PBRも見直し材料として上値を試す展開が期待される。

■カーテンレール・インテリアブラインドの大手


 カーテンレールやインテリアブラインドの大手で、国内市場シェアはカーテンレールが約50%、ブラインドが約15%である。

 室内装飾関連事業(カーテンレール類、ブラインド類、間仕切類)を主力として、介護用品事業(ステッキなど)も展開している。17年3月期の事業別売上高構成比は室内装飾関連事業が98.5%(カーテンレール類が約47%、ブラインド類が約42%、間仕切類が約2%、その他が約8%)で、介護関連用品などのその他事業が1.5%だった。収益面では、新設住宅着工件数やリニューアルなど住宅関連市場の影響を受け、第4四半期(1~3月)の構成比が高い特性がある。

 中期成長戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、高付加価値商品の拡販、インテリアトレンドに合わせた特長ある商品や省エネ・節電対応など新商品開発のスピードアップ、コスト競争力の強化、ホテルや商業施設など非住宅分野における需要の取り込み、大型物件の獲得や新興国の消費需要取り込みによる海外売上高の拡大、新規領域としての介護用品事業の拡大などの施策を強化している。

■18年3月期減益予想だが上振れ余地


 今期(18年3月期)連結業績予想(5月15日公表)は売上高が前期(17年3月期)比2.3%増の230億円、営業利益が29.5%減の7億10百万円、経常利益が30.0%減の7億円、純利益が38.8%減の4億30百万円としている。配当予想は前期から特別配当2円を落として年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。予想配当性向は24.3%となる。

 高付加価値型新製品の提案やプロモーション活動を積極的に推進し、原価低減活動も推進するが、新設住宅着工戸数の減少を見込み、大幅増益だった前期の反動などで減益予想としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比0.8%減の107億48百万円だが、営業利益が3.7%増の3億09百万円だった。販管費抑制効果が寄与した。売上総利益率は40.9%で0.1ポイント低下、販管費比率は38.0%で0.2ポイント低下した。経常利益は10.0%増の3億13百万円だった。純利益は前期計上した厚生年金基金解散損失引当金戻入額66百万円が剥落して14.7%減の1億89百万円だった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が46.7%、営業利益が43.5%、経常利益が44.7%、純利益が44.0%である。第4四半期の構成比が高い特性を考慮すれば通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■株価は戻り高値圏、低PBRも見直して上値試す


 株価は戻り高値圏で堅調だ。11月24日には588円まで上伸して7月の年初来高値600円に接近している。

 12月5日の終値582円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS41円07銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.7%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1109円29銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約64億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。0.5倍近辺の低PBRも見直し材料として上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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16年度プレハブ戸数、16万8443戸に – (株)不動産流通研究所 (プレスリリース) (ブログ)

 (一社)プレハブ建築協会はこのほど、2016年度の「プレハブ住宅完工戸数実績調査報告」を発表した。毎年調査しているもので、今回の調査時期は16年4月~17年3月、会員32社が対象。

 期中に完工したプレハブ住宅の戸数は16万8,443戸(前年度比3.8%増)。全着工新設住宅に占めるプレハブ住宅の割合は17.3%(同0.3ポイント減)と減少した。

 階層・建て方別完工戸数は、戸建住宅(中高層戸建てを含む)が5万3,704戸(前年度比1.5%減)と、13年度に7万戸台を回復して以降、減少が続いている。低層共同建住宅は、5万6,694戸(同3.0%減)と4期ぶりに減少。中高層共同建住宅は5万8,045戸(同17.7%増)と5期連続の増加となった。

 賃貸住宅完工戸数は、9万8,424戸。全賃貸住宅着工戸数に対するプレハブ住宅の割合は23.0%。長期優良住宅は、4万2,281戸、プレハブ住宅完工総数における長期優良住宅率は25.1%。ZEH(戸建て)は、1万2,777戸、プレハブ戸建住宅におけるZEHの割合は木質系が29.4%、鉄鋼系が22.3%、全体では23.8%だった。

 構造別では、木質系住宅が2万782戸(同1.5%減)と減少。鉄鋼系住宅は14万924戸(同5.2%増)と増加した。コンクリート系低層住宅は711戸(同0.6%減)に、コンクリート系中高層住宅は6,026戸(同7.2%減)。

 都道府県別では、東京都が2万戸台で、その他1万戸を超える都道府県は神奈川県、愛知県、埼玉県となっている。

2018年は住宅建築業界でM&Aが加速する – M&A Online

4カ月連続の住宅着工減

 国土交通省が2017年11月30日に発表した建築着工統計調査によると、同10月の新設住宅着工戸数は前年同月比4.8%減の8万3057戸と、4カ月連続で減少した。賃貸・分譲ともに前年同月比4.8%減と振るわず、賃貸は5カ月連続、分譲は2カ月の減少となっている。賃貸は相続税の節税目当ての新築物件が減少、分譲は大規模物件の落ち込みからマンションが16.9%も減少したのが響いた。

 相続税対策の賃貸物件については、供給過剰による空室率の上昇や、一括借り上げを行うサブリース会社とオーナーとの賃料トラブルが大きく報じられるといった悪材料から着工が頭打ちに。一方、マンションは地価高騰などで分譲価格が上昇した結果、都心部で大型案件が着工しにくい状態になっている。

M&Aで逆風に対抗

 今後も人口減少による需要減や空き家・空室増に伴う家賃の下落、人手不足による建築コスト増、さらには日本銀行の金融緩和策の是正に伴う金利上昇などのマイナス要素が目白押しで、住宅建築業界にとっては逆風になりかねない状況が続く。その対応策としてM&Aが進みそうだ。

 桧家ホールディングス<1413>は2018年1月1日付で桧家住宅、桧家住宅北関東、桧家住宅東京、桧家住宅上信越、桧家住宅東北の連結子会社5社を統合する。この5社はいずれも木造注文住宅事業を手がけており、合併による営業政策の統一や経営資源の集約・再配置などを通じて事業効率と収益性の向上を目指す。上位メーカーでは、すでに2017年1月にトヨタホームがミサワホーム<1722>への出資比率を引き上げて子会社化している。

マグ・イゾベールの新戦略 – ハウジング・トリビューン オンライン

マグ・イゾベール 代表取締役社長 フランシス ショレー氏

断熱ソリューションメーカーへ進化
付加価値を高めたパッケージ提案を推進

マグ・イゾベールは2017年8月、グラスウール断熱材の新ブランド「イゾベール」シリーズの発売を発表した。イゾベールを主力商品として普及拡大を図り、国内市場の開拓を進めていきたい考え。同社のフランシス ショレー代表取締役社長は「将来的には断熱材の単品販売から、断熱材に加えて気密材などを含めた材料一式を提供するパッケージ提案を強化し、断熱材メーカーから断熱ソリューションメーカーへと進化していきたい」と話す。

マグ・イゾベール 代表取締役社長 フランシス ショレー氏

マグ・イゾベール 代表取締役社長 フランシス ショレー氏

──国内の住宅市場をどのように見ていますか。ヨーロッパと比べて日本では、住宅の高性能化が遅れていると聞きます。

ヨーロッパと日本の住宅を取り巻く環境を比べると、大きく2つ相違点があると感じています。

一つは、日本に比べてヨーロッパの方が、義務化が求められる絶対的な住宅の省エネ基準が高く、その基準が引き上げられるペースも格段に早いということです。

ヨーロッパでは、EUが主体となり積極的に住宅の省エネ基準を引き上げています。EU加盟国では、少なくともその基準をクリアしなければ住宅を建てることはできません。各国の行政の指導者もEUから求められているからと説明しやすい面があります。こうした仕組みが、住まいの高性能化を促す上で、うまく機能していると言えます。

ヨーロッパに比べて日本の住宅の省エネ基準が低いことは、単に住まいの高性能化への取り組みが早かったのか、遅かったかの違いによるものだと思います。ヨーロッパでは、環境問題への意識や、住まいの省エネ性能への社会的要求が日本よりもかなり早く高まりました。日本でも10年後、20年後、現在のヨーロッパ並みの省エネ基準にまで高まっている可能性は十分にあります。

省エネ化は、個人や民間企業を超え、国全体で取り組んで行かなければならない課題です。2015年12月にフランスのパリで開催されたCO P21では、日本をはじめ世界196の国や地域が温室効果ガスを削減することを約束しました。日本は2030年度まで2013年度比で26%のCO2排出量を削減する目標を掲げています。この目標を達成するためには、今までのやり方では、不十分なところがあることは明確です。CO2排出量の削減に向けた対策の一つとして、住まいの高断熱化をさらに促していくことが求められています。

日本では、2020年の住宅の省エネ基準の義務化が目前に迫っていますが、私は、ZEHなどのより高いレベルの基準へと標準化していくための一つのステップに過ぎないと見ています。省エネ基準が向上する機会が十分に残されており、断熱材の需要量が増える余地もたくさんあると前向きに捉えています。

もうひとつの相違点は、日本では住宅市場の大半が新築に偏っているのに対して、ヨーロッパでは新築とリフォームの割合が半々であるということです。

長期的に見ると新築市場が縮小していくことは、日本に限らず、ヨーロッパでも同じ状況ですが、例えば、フランスでは、新築着工戸数が減っていく一方で、既存住宅に対する省エネ基準の厳格化により、断熱リフォームの需要が高まり、結果として断熱材の出荷量は増えています。

フランスでは、住宅の省エネ性能によってAからFまでのランクを定めています。省エネ性能の低いEやFのランクの住宅のままでは、ほとんど買い手がつきにくい状況です。また、断熱リフォームに対する手厚い補助制度や減税政策が用意されていることも断熱リフォームの普及を後押ししています。一定のレベルまで断熱性能を高めない限り、買い手がつきにくいため、断熱材や複層サッシなどを活用して高断熱化を図ることが当たり前になっているのです。

また、ホームセンターなどでは、様々な断熱材などが販売されています。エンドユーザー自身が断熱リフォームに取り組むことも珍しいことではありません。フランスのような電気料金の安い国で、断熱リフォームが普及しているわけですから、日本のように電気料金がヨーロッパなどに比べて高く、資源の乏しい国であれば、なおさら断熱リフォームへの潜在的な需要が眠っているのではないでしょうか。日本でも近い将来、断熱リフォームが定着する日が来ると信じています。

COP21でコミットしたCO2削減の目標達成に向けても、断熱リフォームを推進していくことが求められています。国は、ストック活用を重視した住宅政策に舵を切り始めています。今後、さらに既存住宅流通を促進するための施策が充実してくることを期待しています。

断熱リフォームの潜在的なニーズの大きさなどを考慮すると、新設着工戸数が減少していくなかでも、断熱材の需要は増加し、今後10年から30年の間、断熱材の使用量は毎年数%ずつ伸びていくと予測しています。

防湿フィルム付きの「イゾベール・スタンダード」。省エネ基準をクリアするために最適な商品

防湿層なしの「イゾベール・コンフォート」。断熱性・気密性を高め、より高い快適性の実現に寄与する

トシン・グループは高値圏モミ合い、18年5月期予想に上振れ余地 – 財経新聞

 トシン・グループ<2761>(JQ)は首都圏中心に電設資材などの卸売事業を展開している。18年5月期は横ばい予想だが上振れ余地がありそうだ。株価は07年来高値圏でモミ合う形だが、日柄調整完了し、低PBRや継続的な自己株式取得も評価して上値を試す展開が期待される。

■首都圏中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開


 首都圏中心に電設資材や住宅設備機器などの卸売事業を展開している。小口多数販売、専門部署による得意先営業活動支援サービスなどを特徴とし、事業基盤強化や収益拡大に向けて、取扱商品や営業拠点網の拡充を推進している。

 なお収益面では、新設住宅着工戸数など建設関連投資の動向が影響し、第4四半期(3月~5月)の構成比が高い特性がある。利益還元については、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保する一方で、財務状況、利益水準、配当性向などを総合的に勘案して、前年実績を下回らない安定した配当を実施することを基本方針としている。

■18年5月期横ばい予想だが上振れ余地


 今期(18年5月20日期)の連結業績予想(6月30日公表)は、売上高が前期(17年5月20日期)比0.2%増の435億円、営業利益が0.5%増の19億60百万円、経常利益が0.5%増の27億50百万円、純利益が0.4%増の17億60百万円としている。

 他社との差別化の武器である「安心シリーズ」を有効に活用して、販売力を強化する方針としている。配当予想は前期と同額の年間54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比1.2%減収だが、営業利益が14.3%増益、経常利益が12.1%増益、純利益が30.7%増益だった。微減収だが、粗利益率の改善や販管費の抑制などで2桁増益だった。売上総利益率は21.0%で0.3ポイント上昇、販管費比率は16.0%で0.4ポイント低下した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.8%、営業利益26.4%、経常利益25.0%、純利益25.4%と順調である。第4四半期の構成比が高い季節特性を考慮すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■継続的な自己株式取得で積極還元姿勢


 自己株式取得の継続的な実施で株主還元姿勢を積極化している。17年8月17日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限50万株、取得価額総額の上限16億円、取得期間17年8月18日~18年7月31日)では、11月30日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で1500株取得し、11月30日時点での累計取得株式総数は1万3700株となった。

■株価は高値圏モミ合い、低PBRや自己株式取得も評価して上値試す


 株価は07年来高値圏3200円円近辺でモミ合う展開だ。そして7~8月急伸後の日柄調整完了感を強めている。

 12月1日の終値3140円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS210円00銭で算出)は15倍近辺で、今期予想配当利回り(会社予想の年間54円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS4052円75銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約358億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が接近して下値を切り上げている。サポートラインを確認した形だ。日柄調整完了し、低PBRや継続的な自己株式取得も評価して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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大手ハウスメーカー 2017年度中間決算-Housing Tribune Online – ハウジング・トリビューン オンライン

事業の多様化がさらに鮮明に

不透明感増す住宅市場で交錯する企業戦略

大手住宅メーカーから2017年度上期の業績が発表された。
 雇用・所得環境の改善が続き、景気が穏やかに持ち直す一方で、国内住宅市場の縮小が鮮明になってきた。
 住宅メーカーの業績にも影響を及ぼし始めている。
 主力の住宅事業での収益確保に加え、事業領域の拡大に向けた企業の取り組みが加速している。

2017年度は景気の穏やかな回復が続き、雇用・所得環境の改善が進んだ。個人消費も持ち直しが見られる。住宅市場でも住宅ローンの低金利が継続したことから住宅取得にとって好環境が続いた。ただ、新設住宅着工戸数は97万戸を超えた2016年度と比べ低調に推移している。

国土交通省が発表した2017年9月の住宅着工戸数は8万3128戸と、前年同月で2.9%の減少となった。これで3カ月連続の減少となる。持家は2万4883戸で同2.7%減少した。持家の減少は4カ月連続だ。貸家も3万7521戸と同2.3%減った。貸家の減少も4 カ月連続となる。分譲住宅は2万202戸で、同5.3%減少と4カ月ぶりの減少に転じた。マンションが8628戸で同9.2%減ったことに加え、一戸建住宅も1万1347戸と同2.2%減少したため分譲住宅全体で減少となった。

景気の回復や住宅ローンの低金利など住宅購入に向けた後押しはあったが、様子見している消費者が多いようだ。

「展示場の来場者数は比較的堅調だったが、顧客が住宅購入、リフォームに踏み切る決め手に欠け、商談の長期化が続いた」といった業界関係者の指摘が多く、消費税の引き上げが先送りされてからの検討期間、商談の長期化傾向が続いている。

(一社)住宅生産団体連合会が発表した2017年10月度の経営者の住宅景況感調査では、2017年7月〜9月の実績の景況判断指数は対前年同期比で総受注戸数がマイナス32ポイント、総受注金額もマイナス23ポイントと、戸数、金額ともマイナスとなった。

また、土地オーナーの相続税対策としてのニーズもあり、昨年度まで好調に推移していた貸家が今年度は減少に転じており、住宅着工戸数低迷の要因になっている。

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