みかじめ料被害に給付金 工藤会上納 – 毎日新聞


被害回復給付金支給制度に基づき800万円をゼネコン側に

 福岡県行橋市発注の工事を受注したゼネコンが2013年、特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)への地元対策費(みかじめ料)を含む4270万円を脅し取られた事件で、福岡地検が被害回復給付金支給制度に基づき800万円をゼネコン側に支払う支給開始決定をしたことが関係者への取材で分かった。決定は昨年11月29日付。制度が暴力団のみかじめ料被害者に適用されるのは極めて異例。

 関係者によると、ゼネコンは12年10月、行橋市発注の活性炭処理施設築造工事を3億8715万円で落札。これを知った市内の建設会社役員がゼネコンに対して市内の建設会社2社に下請け工事を発注させ、「3%の対策費を出してください。これは決まりですよ」と脅して本来の工事費に地元対策費840万円を上乗せした4270万円を下請けの2社に支払わせた。建設会社役員はこのうち800万円を工藤会幹部に上納金として渡した。

 この事件で恐喝罪に問われた建設会社役員は16年12月、福岡地裁小倉支部で懲役3年、執行猶予5年を言い渡された。さらに組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)に問われた工藤会幹部は17年1月、福岡地裁小倉支部で懲役2年、執行猶予3年の判決を受けた上で上納金と同額の800万円の追徴金も課されており、この金が給付金に充てられる。ゼネコン側が今年1月29日の期限までに申請すれば受給できる見通し。

 元日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会委員長の疋田淳弁護士は「暴力団の資金源剥奪という面では評価できる」とする一方で「社会的責任があるゼネコンが不当要求に漫然と応じていた場合、純粋な被害者として救済するのは疑問も残る」と話している。

 地検幹部は「みかじめ料被害者が暴力団を相手に損害賠償請求訴訟を起こすのは大きな負担で、国が破産管財人のような立場で被害金を回復する意義は大きい。みかじめ料の支払いを立証するのは簡単ではないが、可能な事例には制度を適用していく」と話した。

被害回復給付金支給制度

 詐欺や出資法違反など組織的犯罪で奪われた財産(犯罪被害財産)を国が犯人から没収・追徴し、被害者に給付金として返還する仕組み。2006年12月に改正組織犯罪処罰法と被害回復給付金支給法が施行されて可能となった。刑事事件として有罪判決が出なければ適用されない。10年以降に制度が適用された77件のほとんどはヤミ金や振り込め詐欺の被害者だった。


計画公表前に受注リスト 年度内の立件視野 – 毎日新聞


 リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、各工区の受注予定社名を記載した文書が2011年後半にも作成されていたことが、関係者への取材で明らかになった。15年に使われた同種の文書の存在は既に判明しているが、受注予定社の記載が異なる部分があるという。東京地検特捜部と公正取引委員会は、大手ゼネコン4社による受注調整が早くから進められた結果、「本命」を変更したとみて、追及している模様だ。

 特捜部などは年度内に独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立件することを視野に捜査を進めるとみられる。

 受注調整の疑いが持たれている4社は大林組(東京都港区)、鹿島(同)、大成建設(新宿区)、清水建設(中央区)。関係者によると、新たに存在が判明したのは11年後半に作成された文書で、その後も更新されていったという。

 リニア事業は10年10月、国土交通省の小委員会が「南アルプス(直線)ルートが最も費用対効果に優れている」との分析結果をまとめ、事実上、同ルートの採用が決まった。国交省は11年5月、整備計画を決定。文書が作成された11年後半はその直後にあたり、JR東海が駅など具体的な工事計画を示す前だった。

 当時非公表だった工区が11年後半の文書に記載されていることについて、あるゼネコン関係者は「11年後半のもの(文書)はJR側が作成したのではないか」と推測。「文書は少なくとも2種類あり、後に更新された文書と比べると、いくつかの受注予定社が変更されている」とも証言。特捜部などは、4社が受注調整を進め「本命」を決めていったため、JR側の当初の意向と異なる結果が生じたとみて4社の幹部に経緯を追及しているとみられる。【飯田憲、渡辺暢、二村祐士朗】


リニア談合:計画公表前に受注リスト 年度内の立件視野 – 毎日新聞 – 毎日新聞


 リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、各工区の受注予定社名を記載した文書が2011年後半にも作成されていたことが、関係者への取材で明らかになった。15年に使われた同種の文書の存在は既に判明しているが、受注予定社の記載が異なる部分があるという。東京地検特捜部と公正取引委員会は、大手ゼネコン4社による受注調整が早くから進められた結果、「本命」を変更したとみて、追及している模様だ。

 特捜部などは年度内に独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立件することを視野に捜査を進めるとみられる。

 受注調整の疑いが持たれている4社は大林組(東京都港区)、鹿島(同)、大成建設(新宿区)、清水建設(中央区)。関係者によると、新たに存在が判明したのは11年後半に作成された文書で、その後も更新されていったという。

 リニア事業は10年10月、国土交通省の小委員会が「南アルプス(直線)ルートが最も費用対効果に優れている」との分析結果をまとめ、事実上、同ルートの採用が決まった。国交省は11年5月、整備計画を決定。文書が作成された11年後半はその直後にあたり、JR東海が駅など具体的な工事計画を示す前だった。

 当時非公表だった工区が11年後半の文書に記載されていることについて、あるゼネコン関係者は「11年後半のもの(文書)はJR側が作成したのではないか」と推測。「文書は少なくとも2種類あり、後に更新された文書と比べると、いくつかの受注予定社が変更されている」とも証言。特捜部などは、4社が受注調整を進め「本命」を決めていったため、JR側の当初の意向と異なる結果が生じたとみて4社の幹部に経緯を追及しているとみられる。【飯田憲、渡辺暢、二村祐士朗】


建設産業界 直面する大転換期/正体は「人口減+高齢化」 – 日刊建設通信新聞

【建設産業界 直面する大転換期/正体は「人口減+高齢化」】
 建設産業界はいま、産業構造の大転換期に直面している。この大転換期を避けることが出来る個社や業種別業界は存在しない。日本そのものが、大転換期に直面しているからだ。日本が直面する大転換期の正体とは、「人口減少と高齢化」に尽きる。かつて人口・労働力の増加は、技術を生かしたものづくり産業の発展と輸出大国の礎を築く一方、消費・購買を中心にした国内需要拡大がGDP(国内総生産)増という形で日本の経済成長をけん引してきた。建設産業界も経済成長や生活の安全・安心に寄与する社会インフラ整備や民間設備投資に応え続けた。その成長モデルに代わる新たな“航路”を切り開くことがいま求められている。 建設産業界は別の側面でも、高度成長期以降の日本を支えてきた。都市部では失業者などを対象にした雇用の調整役として、また地方では農業従事者が農閑期に土木工事の作業員として働く現金収入の手立てとしても、機能した。
 しかし、日本が「人口・労働力の減少」に転じたことで、これまでのさまざまな成長モデルは転換を余儀なくされることになる。労働力が過去のように一定数維持できれば、正社員と非正規社員を労働内容に応じて使い分けることはできた。建設業も同様に、労働集約型で雇用のリスクをつけ回す格好の重層下請構造が拡大していったわけだ。
 いま、建設産業界が直面する「担い手確保・育成」と「生産性向上」はこうしたこれまでの建設業の成長・生産モデルの転換を余儀なくされた結果と言える。
 ただ安倍政権が打ち出した「第4次産業革命」や、成長戦略に基づき国土交通省が標榜する「i―Construction」、こうした動きに連動して大手・準大手ゼネコンや大手コンサル、大手設備会社などによる設備投資や技術開発、生産供給力維持を目的にした協力会組織強化・支援といった個社の動きも活発化している。
 個社が2020年東京五輪という短期目標・指標にとらわれず、中長期の戦略、成長への戦術などについて一斉に取り組み始めているのは、先行き不透明のなかで守勢に回ろうとする後ろ向きの発想からではない。
 国策となった「働き方改革」に取り組むに当たって、日本が直面する「労働力減少+高齢化」は無視できない。その結果として、時間外労働時間の規制義務化と週休2日拡大は、これまで建設産業界の特徴だった「労働集約型ものづくり」から脱・労働集約型システムへの転換を必然的に促す。IoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、AI(人工知能)、ロボットを使った技術革新も日進月歩のスピードで進んでいる。
 これまで、労働集約型産業かつ受注産業の宿命として、市場規模を自らコントロール出来ず、その時々の市場規模によって厳しい価格競争から抜け出せなかった建設産業界。
 しかし、働き方改革で制約を受けるなか、さまざまな生産性向上への取り組みや業界外と連携した技術革新とオープンイノベーションは、「請け負け」とも言われた価格だけが受注の有無を左右する請負工事であっても、技術革新による提案と対応が価格に代わる新たな他社との差別化のカギを握る可能性を示す。まさに、建設産業界が直面している「労働力減少+高齢化」は言い換えれば、これまでの労働集約型生産から脱却し、省人化や省力化、さまざまな技術革新による生産性向上を含めた新たな提案競争時代の幕を否応なく切ったと言える。
 押し寄せる働き方の変革と、高まる生産性向上への意識に伴う技術革新の大洋に乗りだした建設産業界の今の状況は、中世ヨーロッパで夢と実利を求め、大西洋へ続々と乗り出していった“大航海時代”という過去の歴史と重なり合うかもしれない。
 しかし大きな課題も浮上する。技術革新、オープンイノベーションの大波に乗り出せる企業は、人員、設備投資額に勝る全国企業にほぼ限られている。つまり、建設企業の99%以上を占める中小元請けと中小・零細の専門工事業は、単独で産業構造転換を促す技術革新には乗り出せない。今後の建設産業構造を議論するうえで、この99%をどう考えていくかが重要なポイントとなる。
 さらに、それぞれが目的を持ち新たなフロンティア(新市場)、ブルーオーシャン(競争がなく高収益な市場)を目指して未知の大海原に乗り出した建設産業界の明日を展望するためには、乗り越えなければならない、いくつかの課題もある。その課題を7つにまとめ、検証する。

◇建設市場・建築着工は回復せず/厳しさ増す中小企業市場

 建設産業界が直面する大転換期を乗り越える7つの課題のなかで、政策的に大きな課題となるのが「建設市場」と「中小・零細企業」の関係だ。日本の産業構造と同様、建設産業も99.9%を中小・零細企業が占め、全国各地それぞれの地域で、地域防災・災害復旧だけでなく地元企業として雇用や消費を含め地域貢献している。しかし元請け・下請け問わず地域の中小建設業を取り巻く環境と今後に不安感が漂っている。
 その根底にあるのは、建設市場の先行きへの不透明感と、建設産業が直面する「働き方改革」と「生産性向上」を代表に、ICT工事の拡大や社会保険加入の促進、建設キャリアアップシステムの構築など、さまざまな取り組みが同時並行で一気に進んでいることへの強い戸惑いだ。
 地方建設業の中小向け工事減少を実感する経営者は元請け、下請けを問わず多い。実は建設市場の半分以上を占める建築工事市場は、日本国内の建築投資を一気に萎ませた2008年9月のリーマン・ショック当時の水準まで回復していない。
 一方、今年度の土木工事規模もさえない。政府が昨年7月に閣議決定した、官公需法に基づく17年度の国などの契約方針の基本方針は、中小企業契約目標率こそ16年度と同じ55.1%としたものの、目標額そのものは減少した。
 特に国土交通省の17年度官公需予算総額のうち工事は前年度から2247億円減少。当然、中小企業向け契約目標額も1351億円減少し前年度比11.9%減の9958億円にとどまった。
 こうした地方企業が疲弊しかねない状況を踏まえてかどうかは別にして、政府の18年度成長戦略の1つとして地域経済・インフラについては、ICT活用などによる生産性向上と機能向上を目的に、いくつかの中小企業支援策がすでに明示された。また、国交省の17年度補正予算案でも中小企業向け支援を盛り込むなど、行政もICTなど技術革新に向かう中小企業支援の姿勢を強く打ち出し始めている。

◇働き方と生産性・週休2日が国策に/相対的に高まる「生産性向上」

 2017年3月、政府は「働き方改革実行計画」を働き方改革実現会議で決定した。これまで長年、時間外労働規制の適用除外だった「建設事業」にも適用されることが決定した瞬間だった。5カ月後の8月末には、政府の建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議で、『建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン』がまとまった。政府主導による、公共・民間の建設工事を対象にしたガイドラインによって、元請け・下請けや企業規模問わず全ての建設企業に、長時間労働是正や週休2日などの働き方改革と、生産性向上の取り組みを求める形となった。
 生産性向上についてはそれぞれの立場で目的も違ってくる。元請けが業務効率や省人化・省力化を目的にしたコスト削減を目的にしているのに対し、下請けの専門工事業にとっての生産性向上とは、1日の出来高アップによる収入増に尽きる。
 単純に考えれば作業効率が落ちる多能工や、作業日数減少につながる週休2日などに反対する専門工事業や職人がいるのは、収入目減りにつながりかねないからだ。
 実は、政府主導の働き方改革は元請けや下請けの専門工事業以外にも思わぬ影響を与え始めている。これまで建設事業と並んで長時間労働規制の対象外だった「自動車の運転業務」だ。
 首都圏の大規模建築物の構造を構成するハイグレードなS造、特殊鋼構造物、土木で使われるシールドのセグメントなど資材運搬は大型トラックに委ねられている。しかしいま、急速に建設資材運搬トラック運転手が、転職などでいなくなっていると言われている。大手ファブリケーター(鉄骨の加工・製作・据え付け)のトップは、「必要なグレードの鉄骨を各地工場から集める連携体制を敷いてきたが、運転手確保問題でこれまで通り調達できるかどうか不安もある」と率直に胸の内を語る。

◆乗り越えろ「7つの課題」

(1)不透明な建設市場を確実に手にする
 ・地域支える中小企業保護策に自治体の覚悟
(2)技術革新と機械化で労働力減少に耐える
 ・省人化と省力化、人の経験値だけに頼らない
(3)生産性向上、直面する中小元請けと下請け
 ・設備投資、単独では難しいからネットワーク
(4)問答無用の時間外労働時間適正化
 ・厳密運用で生産システムの供給力減
(5)産業界挙げての週休2日、現場閉所
 ・かぎは専門工事業と職人の働き方意識
(6)技能労働者の確保・育成に必要な処遇
 ・減少する労働日数・時間、賃金どう確保
(7)職人評価切り札の建設キャリアアップシステム
 ・地方元請業界の一部には根強い警戒感

外環道・五輪…大手ゼネコン頼り リニア談合の影響懸念 – 朝日新聞

 リニア中央新幹線の建設工事をめぐる談合事件で、リニア事業や他の大型事業への影響を懸念する声が出ている。談合が認められれば、大手ゼネコン各社は巨額の課徴金を求められ、軒並み入札の指名停止処分を受ける異例の事態になる可能性があるからだ。

 東京・品川駅では昨年1月、リニア新駅の工事が始まった。だが、JR東海によると名古屋―品川間286キロの工事のうち3分の2が未発注。同社の柘植(つげ)康英社長は今月20日の定例会見で「工期に影響が出ないよう進めることが最優先」と述べた。ただ、もともと「余裕のない厳しい工程」(柘植社長)で影響が懸念されている。

 大手ゼネコン4社をめぐっては、今年9月、4社の共同企業体が受注していた東京外郭環状道路(外環道)の地下トンネル拡幅工事で、発注元と業者の契約手続きが中止された。談合の疑いが払拭(ふっしょく)できないと判断されたためだ。国土交通省関係者は「もう一回発注し直すとなっても、外環道のような難工事をできる会社は大手ゼネコン以外に少ない」と懸念する。

 2020年東京五輪・パラリンピックでは、大会組織委員会が来春以降、八つの仮設競技会場など40カ所で整備工事の発注を予定している。総費用は約3千億円。組織委の広報担当は「大手ゼネコンは幅広い分野に顔が利く強みがあり、内装や電気設備などの業者も集めてくれる。捜査状況を注視していきたい」と今後の動向を気にかける。

 大会後も残る恒久施設のうち8会場の工事を受け持つ東京都。都によると、すべての工事で契約を済ませた。契約先には大手ゼネコンが含まれるが、契約済みなので、指名停止になったとしても影響はない、とする。豊洲市場(江東区)についても、追加の安全対策工事全9件の契約を終えたという。(岡戸佑樹、三浦淳)

リニア品川駅、増額へ談合か 大林・清水、再選定で受注:朝日新聞デジタル – 朝日新聞

 リニア中央新幹線建設工事を巡るゼネコン大手4社の談合事件で、リニア品川駅の工事を希望する大林組と清水建設の各JV(共同企業体)がJR東海の予定価格より高い工事価格で受注できるよう、4社で談合した疑いがあることが関係者への取材でわかった。東京地検特捜部と公正取引委員会は契約の経緯に関心を寄せているとみられる。

 リニア新幹線のターミナル駅となる品川駅は、新幹線や在来線の運行を続けながら地下を掘削して建設する予定で、総工事費が数千億円となる見通し。同駅は北工区と南工区が主要工区で、JR東海が2015年に指名競争見積方式で発注した。

 複数の関係者によると、大手4社は品川駅工事での受注調整を開始。当初、大成建設もこの工事への参入を希望したが、調整の結果、以前から品川駅の工事に影響力が強かった大林組と清水建設が受注予定者になったという。

 指名競争見積方式への参加資格をあたえられた大林組と清水建設の各JVは、それぞれJR東海に技術提案し、価格協議を行った。両社はともにJR東海が示した予定価格より高い金額を提示。選定はいったん不調となった。その後、JR東海は工事の金額を引き上げ、15年9月に北工区を清水建設JVが、翌月に南工区を大林組JVがそれぞれ受注した。

 大手ゼネコン関係者は「JR東…

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駅工事を集中捜査 競合激しく4社で調整か リニア談合:朝日新聞デジタル – 朝日新聞

 リニア中央新幹線の建設工事を巡る大林組、大成建設、鹿島、清水建設のゼネコン大手4社の談合事件で、東京地検特捜部と公正取引委員会は年明けから捜査人員を拡充し、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで本格的な解明に乗り出す。捜査当局は、リニア品川駅と名古屋駅の受注調整について特に関心を寄せているとみられ、4社の幹部らから集中的に事情を聴いている。

 JR東海は具体的な費用を明らかにしていないが、両駅の総工事費はそれぞれ数千億円規模とみられる。品川駅では北工区を清水建設、南工区を大林組が2015年に受注。名古屋駅では中央西工区を大林組が16年に受注した。

 複数の関係者によると、4社は11年に正式なルートが発表される前から、総工事費1千億円超の南アルプストンネル工事と、両駅について受注分担の協議をしていたという。トンネル工事は極めて高い技術力が必要で、南アルプストンネルを土木工事を得意とする鹿島と大成建設が受注することに争いはなかったとみられる。

 一方、駅工事は各社の競合が激しく、大林組や清水建設も受注を目指していた。捜査当局は、価格を抑えようとするJR東海との交渉を有利に進めるためにも、4社が談合したとみている模様だ。品川駅では選定がいったん不調に終わった後、再選定で清水建設と大林組が受注した。

 JR東海はリニア建設に際し税制優遇を受けており、9兆円の総事業費には公的資金を原資とした3兆円の低利融資も含まれている。東京地検特捜部と公正取引委員会は、談合で工事価格が高止まりすれば国民負担に跳ね返ることから悪質性が高いととらえており、全容解明を目指す考えだ。