12月の日銀短観、大企業を中心に景況感が改善企業の財務状況もリーマン前の水準に回復 – MONEYzine

 日本銀行は12月15日、12月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表した。短観は日本銀行が全国の企業動向を把握するため3カ月ごとに実施している調査で、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた、業況判断指数(DI)などが公表されている。回答期間は11月14日から12月14日で、全国の企業1万645社から回答を得た。

 企業の景況感を示す12月の大企業(資本金10億円以上)のDIは、製造業が5四半期連続で改善してプラス25となり、11年ぶりの高水準となった。商品市況の回復で非鉄金属がプラス40、化学がプラス32となったほか、生産用機械がプラス46で指数を押し上げた。一方、造船・重機等はマイナス4だった。非製造業は9月の前回調査と同じプラス23で、建設がプラス45と高かった。

 中堅企業(資本金1億円以上10億円未満)のDIは、製造業が前回調査から2ポイント改善してプラス19、非製造業が同1ポイント改善してプラス20。中小企業(資本金2,000万円以上1億円未満)のDIは製造業が同5ポイント改善してプラス15、非製造業が同1ポイント改善してプラス9となり、大企業・製造業を中心に景況感が改善傾向にあった。

 一方、帝国データバンクは同社の企業データベースをもとに、全国の企業の2016年度の財務分析を実施し、その結果を12月8日に発表した。

 企業の生産性の指標になる「1人当たり経常利益」(経常利益を期末従業員数で除したもの)を見ると、全産業平均で前年度比7.17%増の162万9,000円となり、7年連続で前年度を上回った。業種別では「建設業」が137万4,000円、「製造業」が156万6,000円、「卸売業」が204万5,000円、「小売業」が121万8,000円、「運輸・通信業」が110万2,000円で、分析を行った全5業種がリーマン・ショック前の2007年度を上回ったほか、「建設業」は2007年度の2.79倍になるなど好調だった。

 企業の安全性の指標になる「自己資本比率」(自己資本を総資本で除し、100を乗じたもの)は全産業平均で同1.04ポイント増の25.72%で、2007年度の水準(27.71%)を回復した。企業の収益性の指標になる「売上高経常利益率」(経常利益を売上高で除し、100を乗じたもの)は全産業平均で同0.15ポイント増の2.72%で、2007年度以降で最も高くなった。

 大企業・製造業を中心に景況感の改善が続いており、企業の生産性や安全性、収益性もリーマン・ショック前の水準を超えつつあるようだ。

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1ドル=100円より円安なら景気は大丈夫か? 短観報道では企業の業況判断以上の景気見えにくい – 産経ニュース

 今年も残すところ後わずか。来年の景気はどうか、とよく読者の方々から聞かれるが、「現在のような円安水準が続く間は大丈夫ですよ」と答えている。(夕刊フジ)

 景気は「気」、それは端的に企業経営者の見方に表れる。その点、日銀が四半期ごとに行う「全国企業短期経済観測調査」(短観)はその手がかりになる貴重なデータだ。

 とはいえ、日経新聞など専門紙の短観報道を読んでも、企業の業況判断以上の景気は見えにくい。何が景気の決め手なのかを理解していないと、短観を読み解くことはできないのだ。

 そこで、どう短観を読めばよいのかという問いに答えたのが本グラフである。日銀が先週、公表した短観の業況予測指数(DI=景気が「よい」と見る割合から「悪い」と見る割合を差し引いた数値)を円の対ドル相場と対照させている。期間は2012年12月のアベノミクス開始期間から現在までである。

 一目瞭然、円相場が1ドル=100円の水準を超えると、DIはプラスに転じる。円高に振れても100円のラインよりも高くならない限り、マイナスにはならない。業種、規模を問わず、100円ラインよりも円安であれば、景況感をよいとする企業が悪いとする企業よりも多いのだ。

 円相場とDIについて統計学上の相関係数を計算してみると、0・77(1が最高値)と極めて高い。

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【田村秀男のお金は知っている】1ドル=100円より円安なら景気は … – 産経ニュース

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 とはいえ、日経新聞など専門紙の短観報道を読んでも、企業の業況判断以上の景気は見えにくい。何が景気の決め手なのかを理解していないと、短観を読み解くことはできないのだ。

 そこで、どう短観を読めばよいのかという問いに答えたのが本グラフである。日銀が先週、公表した短観の業況予測指数(DI=景気が「よい」と見る割合から「悪い」と見る割合を差し引いた数値)を円の対ドル相場と対照させている。期間は2012年12月のアベノミクス開始期間から現在までである。

 一目瞭然、円相場が1ドル=100円の水準を超えると、DIはプラスに転じる。円高に振れても100円のラインよりも高くならない限り、マイナスにはならない。業種、規模を問わず、100円ラインよりも円安であれば、景況感をよいとする企業が悪いとする企業よりも多いのだ。

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日銀短観12月調査から見えた、日銀が渇望する「内生インフレ」の兆し – THE PAGE

日本銀行本店(写真:ロイター/アフロ)

 最近のサーベイ指標を見る限り企業の価格設定スタンスは徐々に積極化している可能性が高いと言えます。日銀短観で企業のインフレ見通しを確認すると1年後、3年後、5年後の何れも「販売価格見通し」が上昇傾向にあります。一般にこの指標は「物価見通し」が上向かない、或いはそれが2%に届かないことをもって物価目標達成の難しさを論じる材料となっていますが、直近3回の調査は5年後の「物価見通し」が横ばいとなるなかで「販売価格見通し」が引き上げられており、価格設定スタンスの強気傾斜を窺わせる結果となっています。これまで両者は共に下落してきましたが、ここへ来て販売価格のみが引き上げられているのは、労働コスト増加を価格転嫁する動きが広がっている可能性を窺わせます。

日銀短観、労働コスト上昇をサービス価格に転嫁の可能性 「内生インフレ」の兆し

 そうした観点から、同じく日銀短観の販売価格判断DIを確認すると、全規模・全産業のそれが原油高に直面した2008年の水準に比肩しました。産業別では労働コスト上昇の影響が色濃く反映される非製造業の水準が製造業のそれを上回り、非製造業を規模別にみると大企業が5回調査連続でプラス圏を維持する下、中小企業がマイナス圏を脱し、1991年と同等の水準を回復しています(直近ピークは2014年の消費増税時期に重なるため「参考記録」)。非製造業を中心に深刻な人手不足に直面する下、効率性改善で吸収できなかった労働コスト上昇をサービス価格に転嫁した可能性が濃厚です。この見方が正しければ、日銀が渇望する「内生インフレ」が芽生えつつあることを意味します(反対に外生インフレとは、主に円安や原油価格上昇などによって生じる)。

日銀短観 企業物価見通し(5年後)

 他方、消費者物価統計では「家賃」の推計の難しさや「公共サービス」の硬直性もあって、物価全体の5割を占めるサービス物価が0%近傍で推移し、物価全体の頭を抑える構図になっています。しかしながら、日銀短観の結果をみる限り、サービス物価の実勢はもう少し強めの印象を受けます。

 日銀はこうした消費者物価統計の不完全さを問題視していますが、今後も消費者物価統計でインフレ圧力が確認できない状態が続けば、物価統計の精度を疑問視する姿勢を一段と強めてくる可能性があるでしょう。その場合、筆者が以前から指摘しているとおり、消費者物価統計のなかで「家賃」のように景気循環を反映せずに一貫して弱めの動きを続けている項目を除去して、インフレの基調判断をする方向に舵を切ってくる可能性があります。その場合、日銀の認識するインフレ率は消費者物価統計よりも高くなり、金融緩和の出口が近づくことを意味します。

日銀短観 販売価格判断(非製造業)

(第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一)

※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。