8割が日経平均超え、日本株アクティブ型 相場復調追い風 – 日本経済新聞



 日経平均株価が26年ぶり高値を付けるなど、世界的に株高が広がり、資産運用の好環境が続いている。個人のおカネを集めて運用する投資信託も成績が上がっている。2017年、個々の投信はどれだけ稼いだか、実力を点検する。初回はプロが銘柄を選んで運用する日本株アクティブ型。一般的にアクティブ型は市場平均になかなか勝てないともいわれるが、今年は違い、8割近い投信が日経平均の上昇率を上回った。

 純資産残高が30億円以上の日本株アクティブ投信を対象に11月末の基準価格(分配金再投資後)を昨年末と比較したところ、全273本の78%にあたる212本が同期間の日経平均の上昇率(18.9%)を上回った。上位は中小型株に特化した投信も多いが、日経ジャスダック平均(39%)と比べても54%が指数を上回った。対象投信では全てがプラスを確保した。

 アベノミクス相場で株高基調だった過去2年でみると、日経平均を上回った投信は5、6割に過ぎず、今年の健闘が目立つ。ファンドマネジャーの腕次第で差がついた年だったといえる。

 成績上位に並ぶのはIT(情報技術)分野など高成長の銘柄を選んで銘柄数を絞って投資するタイプだ。マクロでみれば日本経済は低成長だが、個別の伸び盛りの企業を見いだしたことが高成績につながっている。もっとも成績の振れも大きく、1年では上位でも3年では稼げていない投信もある。

 首位の「JPMジャパン・テクノロジー・ファンド」は成績がほぼ2倍となった。半導体資材大手のアテクトや水晶部品関連の昭和真空など、投資先を約70銘柄に絞る。

 2位の「MHAM日本成長株オープン」の組み入れ銘柄数も約90と少ない。組み入れトップは、建機向けフィルター大手で業績が好調なヤマシンフィルタだ。上位3本は運用歴が17~18年と長く、経験も生きたようだ。好成績の投信の多くは銀行など低成長銘柄を避けたことも大きい。

 対照的に、下位には「割安株」に着目して運用する投信が目立った。安定配当銘柄や金融関連などで運用するものが多い。地銀株を多く組み入れた「UBS地方銀行株ファンド」の上昇率は0.1%にとどまった。

 来年も株式相場は上昇基調が続くとの見方が多く、業績による銘柄選別の動きが一段と強まりそうだ。楽天証券経済研究所の篠田尚子氏は「アクティブ型は成長力のある中小型株などを機動的に組み入れられるかがカギになる」とみる。

■独立系、明暗分かれる

 金融グループに属さない独立系の運用会社の成績は明暗が分かれた。

 主な5社の主力商品の上昇率をみると、レオス・キャピタルワークスの「ひふみ投信」と「ひふみプラス」がいずれも約39%と他を大きく上回った。中小型株運用が強みだが、相場上昇時に大型株を増やすなど機動的な運用が奏功した。セゾン投信の「セゾン資産形成の達人ファンド」は内外の株や債券に投資する「複合型」で上昇率は23%だった。

 さわかみ投信の「さわかみファンド」と、厳選した30銘柄で運用するコモンズ投信の「コモンズ30」はそれぞれ21%、22%とわずかだが日経平均株価を上回った。鎌倉投信の「結い2101」は16%にとどまった。

 鎌倉投信は社会に必要と同社がみる商品やサービスを提供する企業にこだわって投資する。各社の成績の差はこうした方針の違いもある。独立系を好む個人は長期志向で積み立てて運用する場合が多く、資金が比較的安定して流入している。



日本株のアクティブ投信の上昇率ランキング(一般型、除く小型株型)
順位 投信名(運用会社) 昨年末比の基準価格の上昇率(%) 過去3年間の上昇率(%) 純資産残高(億円)
1 JPMジャパン・テクノロジー(JPモルガン) 99.9 197.4 34
2 MHAM日本成長株(アセマネOne) 52.3 103.6 115
3 マネックス・日本成長株(アセマネOne) 50.9 114.4 32
4 ジャパン・エクセレント(大和) 44.1 70.7 199
5 M&Aフォーカス(大和住銀) 42.5 76.4 37
6 JPMザ・ジャパン(JPモルガン) 42.3 43.0 804
7 フィデリティ・セレクト(テクノロジー)(フィデリティ) 42.2 46.7 51
8 JPM・E-フロンティア(JPモルガン) 41.5 42.5 86
9 成長株ジャパン(三菱UFJ国際) 41.3 39.2 188
10 三井住友・げんきシニアライフ(三井住友) 40.9 88.8 257
11 JPMジャパン・ディスカバリー(JPモルガン) 40.7 39.7 71
12 三菱UFJ日本株オープン「35」(三菱UFJ国際) 40.5 63.6 52
13 次世代ファンド(三井住友トラスト) 40.4 74.2 31
14 ファンド”メガ・テック”(アセマネOne) 40.2 54.3 70
15 ひふみ投信(レオス) 38.6 79.5 1064
同ランキング(小型株型)
1 日興グローイング・ベンチャー(日興アセット) 67.9 108.4 126
2 小型株ファンド(明治安田) 67.7 106.0 153
3 SBI小型成長株ファンドジェイクール(SBI) 66.8 106.5 68
4 ダイワ新興企業株(大和) 60.8 96.9 68
5 SBI中小型割安成長株ファンドジェイリバイブ(SBI) 56.7 123.1 275
6 MHAM新興成長株(アセマネOne) 53.4 122.6 175
7 JASDAQオープン(三菱UFJ国際) 52.1 91.4 37
8 ジャパニーズ・ドリーム(三菱UFJ) 51.7 121.7 75
9 日本新興株オープン(日興アセット) 51.2 93.5 123
10 新成長株ファンド(明治安田) 51.1 140.4 315
11 三井住友・中小型株(三井住友) 51.0 105.9 33
12 中小型成長株ファンド-ネクストジャパン-(SBI) 49.8 138.5 83
13 Jオープン(店頭・小型株)(三菱UFJ国際) 49.3 105.4 72
14 日本・小型株(三菱UFJ国際) 49.1 102.3 36
15 SBI日本小型成長株選抜(SBI) 46.6 68.2 32
上昇率の下位ランキング(一般と小型株含む全投信)
1 UBS地方銀行株(UBS) 0.1 ▲ 11.5 44
2 ダイワ金融新時代(大和) 6.1 11.8 110
3 ダイワ日本株ストラテジーα(通貨選択型)-ジャパン・トリプルリターンズ-米ドル・コース(毎月分配型)(大和) 6.8 12.5 57
4 三菱UFJ東京関連オープン(米ドル投資型)(三菱UFJ国際) 9.6 12.5 58
5 ダイワ日本株ストラテジーα(通貨選択型)-ジャパン・トリプルリターンズ-日本円・コース(毎月分配型)(大和) 9.9 18.9 43
(注)上昇率は分配金再投資後の基準価格で算出。設定から3年以上の投信が対象。投信名と運用会社は一部省略、▲はマイナス

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