企業倒産件数、17年度上半期は8年ぶり増 人手不足による「好況型」顕在化 – 財経新聞



 帝国データバンクは10日、2017年度上半期(4月~9月)の全国企業倒産集計を発表した。倒産件数は、4,197件(前年同期比3.4%増)と、リーマン・ショックの影響が残る09年度上半期以来、8年ぶりに前年同期を上回った。負債総額は7,618億1,800万円と、4年ぶりの前年同期比増である。

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■業種別

 業種別は7業種中4業種で前年同期を上回り、「運輸・通信業」(154件、前年同期比11.6%)は前年同期比で2桁も増加。「サービス業」(959件、同9.1%増)では、ソフトウェア業(92件、同31.4%増)や広告代理業(34件、同41.7%増)の倒産増加が目立つ。

 「小売業」(918件、同7.9%増)は飲食店(360件、同37.9%増)、飲食料品小売(151件、同30.2%増)が前年同期比30%超えの大幅増となり、全体を押し上げた。

■地域別

 地域別では9地域中6地域で前年同期を上回った。「近畿」(111,4件)、「四国」(73件)の2地域は前年同期比2桁の増加、「東北」(177件)も2年連続で前年を上回った。一方で、「北陸」(103件)は新幹線開通に伴う経済効果から、小売業やサービス業など4業種が前年同期を下回っている。

■深刻化する人手不足

 17年度上半期の人手不足倒産は、54件(前年同期比68.8%増)と急増した。正社員に不足を感じる企業は48.2%で、情報サービス分野においては70%にも達するという。非正社員では、飲食店において70%を超えるなど、小売店やサービス業を中心に人手不足が危機的な状況に達しているとされている。

 飲食店破産の背景には人手不足や人件費の上昇のほか、野菜など天候不順による価格の上昇や、海外産の原料価格上昇によるコスト負担増などが挙げられている。

■倒産減少傾向は底打ちの可能性も

 視点を変えて、17年9月の景気動向指数(景気DI)を見ると前月比0.7ポイント増の48.4と4カ月連続で改善している。アジア向け電子部品や機械などを中心に、輸出の増加が続き、「製造」が8カ月連続で改善している。国内景気は、輸出の拡大を受けた製造業が全体の景況感を押し上げ、株式相場も上昇したことで回復が続いているという。

 今後も東京五輪や震災復興関連など建設需要の継続は予測され、輸出も堅調に推移することで設備投資も上向くとされていることから、回復傾向が続く国内景気は倒産を抑制する要因になると見られている。

 一方で、新規設備投資など積極的な事業展開の末、資金や人材の確保が追いつかなくなる「好況型倒産」も顕在化しているという。さらに東アジア情勢など海外の政治経済動向は企業経営にとって不確定要素となることから、倒産件数は低水準での推移が見込まれるものの、減少傾向は底打ちする可能性があるとしている。



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