米、NAFTA協議で提案へ、自動車に米部材50%以上使用求める :日本 … – 日本経済新聞



 【ワシントン=鳳山太成】米国、カナダ、メキシコの3カ国は11日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第4回会合に入った。トランプ米政権は、域内で輸出入する自動車により多くの米国製部材を使うよう求める方針だ。米メディアによると、関税をかけない条件として米部材を使う比率を50%以上とする条項を提示する。米国を特別扱いする要求といえ、カナダ、メキシコの反発は必至だ。

 8月から始まったNAFTAの再交渉は域内3カ国が持ち回りで開いており、第4回会合はワシントン近郊で17日まで非公開で協議する。3カ国は閉幕後に共同声明を発表する見通しだ。

 主な焦点は、域内の国でつくられた部材をどれだけ使っていれば無関税を認めるかどうかを定める「原産地規則」だ。米通商代表部(USTR)は既に、自動車で米国部材の使用比率を50%以上にする原案を議会関係者らに説明した。

 これまでも域内3カ国全体の調達比率を定めた規則はあった。自動車ではNAFTA域内でつくられた部材を62.5%以上使っていれば関税がかからない。この比率を85%に引き上げ、中国など域外部材を一段と締め出す案も浮上している。鉄鋼など原材料の原産地を厳密に確かめる仕組みも議題に上るとみられる。

 トランプ政権はNAFTAの域内貿易で米国製部材があまり使われておらず、貿易赤字が広がったと問題視している。米商務省によると、メキシコが輸出した製品全体で米部材が占める比率は2011年で16%と、1995年の26%から下がった。

 ただトランプ氏の「米国第一」を色濃く反映した規則の導入にはカナダ、メキシコの反発が避けられない。11日にはカナダのトルドー首相が訪米し、ホワイトハウスでトランプ氏と会談する。米政府はカナダのボンバルディア機に重い関税をかける仮決定も下しており、妥協点を見いだすのは難しそうだ。

 米提案が実現すれば、メキシコで部材を生産し、組み立てたうえで米国市場に輸出するといった日本メーカーのサプライチェーン戦略にも大きな影響を及ぼす。米国の自動車産業や政権内、議会からも原産地規則の見直しには反対する声が根強い。USTRが提案を再検討する可能性もある。

 域内3カ国は年内の妥結をめざすが、先行きは不透明だ。トランプ政権は協定からの脱退もちらつかせながらカナダ、メキシコに圧力をかけてきた。厳しめの要求を投げて相手の譲歩を引き出すのがトランプ氏の常とう手段で、厳しい交渉が予想される。

 NAFTAの再交渉は「米国の通商交渉の出方をうかがう試金石」(日本の通商政策担当者)でもある。4日にはトランプ氏が協定破棄をちらつかせ、米韓FTAの再交渉で韓国側と合意した。米政府からは対日自由貿易協定(FTA)の交渉入りを求める声も高まっており、日本は米国の出方を注意深くみている。



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