【主張】米中「100日計画」 世界経済に資する協議を – iza(イザ!)




 真に自由で公正な貿易の拡大は、世界経済全体の発展に欠かせない。世界1、2位の経済大国として、米国と中国はこれを主導する責務を果たさねばなるまい。

 トランプ大統領と習近平国家主席は、新たな経済協議を行うことで合意した。貿易不均衡の是正に向けたものだが、この協議もまた、世界経済に資するものとなることを期待したい。

 両国は、成果を早期に示すため「100日計画」を策定するという。これが、中国の恣意(しい)的な経済運営に改革を迫る有効なツールになり得るなら、米側が中国に強く実施を迫るのは当然である。

 腰を据えて解決すべき中国の構造問題ではなく、対中貿易赤字の縮小という目先の問題ばかりをトランプ政権が優先させかねない懸念も拭えない。それが自由な貿易構造をゆがめないか。

 自由であるかよりも、制裁をちらつかせながら、米国にとって都合の良い「公正さ」を求める。そんな手法を考えているとすれば危うい。米中にとどまらず、日米経済対話にも悪影響を及ぼしかねない。日本としても注視しておく必要がある。

 トランプ政権は、貿易赤字の相手国としてことさら中国を批判してきた。だが、両国の貿易摩擦が激化すれば、米中はもちろん、世界経済が停滞しかねない。それを避けるため、対話の枠組みを構築したのなら意味がある。

 中国が貿易上、多くの問題を抱えているのは言うまでもない。市場への国家の過剰介入や国有企業の優遇、知的所有権の侵害、外資に対する技術移転の強要などである。改革の重要性を認め、速やかに改善に向けた行動に移るべきである。

 中国側が米国の攻勢をかわそうと、国内の需要を度外視し、米国製品の輸入を増やそうとしたらどうなるか。米国にはそうした期待もあるのだろう。

 それが米国の成長につながるとは思えない。国をまたいだ経済活動が深化するなかで、民間企業の輸出入を国家間で管理しようとすること自体に無理がある。

 日米経済対話と同様、米国が中国との2国間協議に向かったのは、かつての日米貿易摩擦で講じた手法の再現にもみえる。そうしたやり方で、米国の自動車産業は競争力を高められたか。現実を直視すべきである。



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