夕食会だけの米中首脳会談だったのか-市場に影響なし – ブルームバーグ

1.米中首脳会談の中身は夕食会だけか-貿易や為替について何も決まらず

  トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の初顔合わせは、形だけの首脳会談にとどまったようだ。首脳会談にありがちなように、協調を演出する言葉が並び、中身はほとんど伴っていない。トランプ大統領が示唆していた貿易問題での対中制裁が実行される様子はなく、中国の経済成長見通しにとってはプラスだ。大統領選挙戦でトランプ大統領の標的の中心が中国だったことから、今回の首脳会談に対する期待が高かったが、多くの具体的な成果を首脳会談に期待するのは一般的に言って間違いだ。

  米国が貿易問題の検証を進めれば、より現実的な行動の基盤を築く可能性があるが、今のところ主要な関心は貿易でも為替でもない。米国はシリアに対する巡航ミサイル攻撃を断行。その意図は明確ではないものの、朝鮮半島に向け空母も移動させている。

2.米中首脳会談、市場への影響ない

  米中首脳会談で具体的な成果が乏しいことから、市場への影響はほとんどなさそうだ。米中が貿易で衝突すれば、値下がりするとみられる台湾のテクノロジー企業は、株価が大統領選後の安値から大きく持ち直している。

3.安全保障問題に焦点-米中首脳会談の裏で対シリア攻撃

  アジアの安全保障を巡る米中の異なる立場が、2国間の貿易関係についての見通しを一段と複雑にしている。「一つの中国」政策を尊重する代わりに貿易で中国からの譲歩を引き出そうというトランプ大統領が当初示していた戦略はうまくいっていない。今回の首脳会談では台湾問題への言及がなかったが、北朝鮮や南シナ海、尖閣諸島に関する米中の思惑の違いが、緊張の種だ。

  トランプ大統領は習主席との会談直前、シリアへの巡航ミサイル攻撃を命令。トランプ政権の外交政策を予測するのが難しい現実を裏付けた。北朝鮮問題を巡っても、トランプ大統領は米国の単独行動も辞さないとする姿勢を示唆した。

4.中国の輸出見通しにはプラス

  トランプ政権による対中関税リスクを別にすれば、中国の輸出見通しはかなりポジティブだ。1-2月の中国輸出は前年同月比4%増。人民元の下落が中国の競争力を高めている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)エコノミクスによる基本予想は、米関税による制裁がなければ中国の輸出が2017年に5%増えるというもので、前年の減少から好転する公算が大きい。

5.貿易問題で対中制裁実施なら米国の消費者と企業に悪影響

  トランプ大統領の貿易を巡る主張は引き続き強烈だ。米中首脳会談に先立ち、「大規模な貿易赤字」をもはや容認できないと言明。だが大統領は貿易や為替操作に関する包括的な調査を指示しているものの、費用対効果を分析すれば、米国による貿易制裁は魅力的には見えない。ウォルマートやターゲットの買い物客は輸入品の大幅値上げに直面しそうで、対中輸出や中国での生産を手掛ける米企業の利益は減少する可能性が高い。

原題:China-U.S. Trade Outlook (抜粋)

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