日本は反保護主義の旗手に 前USTR代表が講演 – 日本経済新聞



 フロマン前米通商代表部(USTR)代表は21日、都内で講演した。世界で保護主義に向けた連鎖反応が起きつつあることを踏まえ、「日本は絶対的に鍵となる国。強いリーダーシップを発揮できる」と述べ、反保護主義の旗手となるよう促した。トランプ政権誕生で米国も逆コースを歩み始めたことに不満を示し、米国抜きでも自由貿易を進めるべきだと訴えた。

基調講演するフロマン前米通商代表(21日、東京都千代田区)
画像の拡大

基調講演するフロマン前米通商代表(21日、東京都千代田区)

 「トランプ時代の日米経済関係」(日本経済新聞社主催)と題するシンポジウムで講演した。人々の不安や怒りの矛先が自由貿易協定(FTA)に向かい、「貿易はいけにえにされた」と不満を吐露した。米国が離脱を決め先行き不透明となった環太平洋経済連携協定(TPP)も「何らかの形で発効しなくてはならない」と強調。「米国を除いた11カ国が批准するかもしれない」と述べ、“米抜き批准論”を唱えた。

 その上で日本は「国内に多くの抵抗勢力があるなかで改革に成功しており、国際舞台で高い尊敬を得ている」と持ち上げた。「米国が(自由貿易で)後退している今、日本の役割は重要だ」と相対的に日本の重みが増していると指摘した。

 その上で、ポイントとなるのが4月にも発足する麻生太郎副総理・財務相とペンス米副大統領をトップとした「日米経済対話」だ。フロマン氏も「興味深い対話から何が出てくるか楽しみにしたい」と注視する考えを示した。「為替問題や原産地規則などが議題になるだろう」とも予測した。

 講演には西村康稔・元内閣府副大臣(TPP担当)と浦田秀次郎・早稲田大学教授も出席。西村氏は「TPP交渉では日本の農業基盤を崩さないぎりぎりのところで農産物の関税引き下げを決めた。さらなる引き下げはない」とクギを刺した。

 浦田氏は第2次世界大戦の引き金が保護貿易にあったと分析し、「トランプ氏がやろうとしている規制による貿易収支の改善は生産や雇用の減少につながり、深刻で悲惨な結果をもたらす可能性がある」と警鐘を鳴らした。



こんな記事も読まれています



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です