高知県が新産業廃棄物処分場の候補地選びへ構想案と意見募集 – 高知新聞

産業廃棄物の新たな処分のあり方を検討するため、エコサイクルセンターを視察する有識者委員会の委員ら(2016年6月、日高村本村)
産業廃棄物の新たな処分のあり方を検討するため、エコサイクルセンターを視察する有識者委員会の委員ら(2016年6月、日高村本村)
 高知県内唯一の管理型産業廃棄物最終処分場「エコサイクルセンター」(高岡郡日高村本村)が満杯になった後の受け皿となる新たな処分場の候補地選びが、2017年度から始まる。現センターの埋め立てが想定外のスピードで進む中、高知県が2016年12月に作成した基本構想案では、新処分場は最大で現センターの約2倍の容量となりそうだ。  2011年10月に開業した現センターの埋め立て容量は約11万2千立方メートル。2016年3月までの埋め立て実績は約4万8270立方メートルに上り、計画の約2倍のペースで進行している。

 なぜ、ここまで計画と実績が懸け離れたのか。大きな要因の一つは、想定外の廃棄物の発生だ。

 2006年、高知市の建設現場で産廃指定以前に埋め立てられた鉱滓(こうさい)約1万5千トンが見つかった。出てきたのは「鋳型に使われた大量の砂」で、その多くを現センターで処分することになり、2011、2012年度に年平均の計画値2460トンを大幅に上回る約1万1千トンを受け入れた。

 さらに、開業前の搬入量の予測調査では、搬入意思が不明確だった業者もおり、計画外の搬入増も。

 燃え殻と煤塵(ばいじん)の埋め立て実績は年平均約3200トンで、計画値の約1・5倍で推移。国の基準変更で住宅の外壁などに使われる廃石こうボードを受け入れたことも容量を大きく圧迫する要因となっている。

 こうした実績値に、利用者アンケートから推計した将来の排出量を加味すると、最短で開業から11年後の2022年9月に満杯になる見通しになった。当初の受け入れ期間が20年間だったことを考えれば、いかに想定外だったかが分かる。

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 高知県が作成した基本構想案では、県内事業者の経済活動を下支えし、不法投棄を防止するため、新たな処分場が必要だと強調。費用や地元同意を取り付ける負担の大きさから、民間による整備は困難と判断している。

 その上で、事業の信頼性や継続性を求める利用者サイドの意向も受け、「公共関与」による整備を提示しており、直営か第三セクター方式かなどは今後検討する。

 こうした方針は、高知県が基本構想案の作成に当たって設けた有識者委員会でも異論はなかったが、施設規模を決める埋め立て容量では議論があった。

 案では、他県の事例を参考に埋め立て期間を2022年10月から20年間とし、容量は「17万~23万立方メートル」と幅を持たせた。最大値なら現センター(約11万2千メートル)の約2倍となる。

 有識者委は、2014、2015年度の実績の平均値のほか、業界団体の予測などを基に廃石こうボードの排出増を考慮。県外でリサイクルして排出量を抑える「最小ケース」(14万立方メートル)を採用し、施設の規模縮小を求める声も出たが、運搬コストや全国的な排出量増が見込まれる中、高知県は「実現性が見えない」として基本構想案には盛り込まなかった。

 埋め立て容量は候補地探しにも影響するため、廃石こうボードの排出量やリサイクルの動向などを見ながら、最終的な容量を決める。また、新処分場は現センターと同じく屋根などを設ける「被覆型」とし、処理水は放流しない方針だ。

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 高知県は、2月10日まで基本構想案に対するパブリックコメント(意見公募)を実施中。

 現センターの基本設計から開業まで「オオタカの営巣確認など、突発的な要因を除いて実務に約4年半を要した」(高知県環境対策課)ため、2017年度末ごろに新処分場の候補地を決めたい考えだ。

 現センターの建設を巡っては、日高村が二分されて曲折の末に住民投票で決着した経緯があり、新処分場の候補地選定の過程には透明性が求められる。

 高知県環境対策課は専門のコンサルタントが調査や資料作成を担い、新設する有識者委で候補地を絞り込むとしており、萩野達也課長は「最終決定は地元合意を図った上で高知県が行う」としている。

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