三井物産、日鉄住金物産を持ち分法適用会社に – 日本経済新聞



 三井物産は22日、新日鉄住金グループ系中核商社、日鉄住金物産に追加出資し、持ち分法適用会社にすると発表した。伊藤忠丸紅鉄鋼などに次ぐ鉄鋼流通の第三極形成へ向けて動き出す。引き金は中国発の「鉄冷え」。各社とも長引いた市況悪化で体力をそがれ、収益力の強化は喫緊の課題だ。高炉メーカーはこの5年間で5社から3グループに集約、再編は流通業界にも広がってきた。

 三井物産は2018年4月をめどに、日鉄住金物産が実施する第三者割当増資を引き受ける。既存株主からも日鉄住金物産株を取得。出資比率を現在の10.9%から20%に引き上げ持ち分法適用会社にする。出資額は現在の時価ベースで150億円弱になる見通し。

 資本関係の強化に合わせ、自動車用鋼材や鋼管、建材など三井物産の一部の鉄鋼販売事業を日鉄住金物産に譲渡する。2社で重複する分野を整理するほか、鋼材を切断したり曲げたりするコイルセンターの統廃合も進める。

 日鉄住金物産は02年、財務体質が悪化し三井物産の出資を仰いだ。00年代前半、伊藤忠商事丸紅が鉄鋼事業を一本化。三菱商事と日商岩井(現双日)も統合しメタルワンを発足させるなど合従連衡が相次いだ。三井物産と日鉄住金物産の鉄鋼事業統合構想もたびたび浮上したが実現しなかった。

 今回、資本関係強化へ背中を押したのが中国発の供給過剰問題だ。中国は5年で1億4千万トンの能力削減を表明するが、実需を5割上回るといわれる過剰能力の解消には時間がかかる見通し。足元では中国内の需要好調でアジア向け輸出は減っている。だが内需が息切れすれば再び輸出が増えアジアに流れ込む可能性は高い。

 さらに、石油・ガス用鋼管は原油価格の低迷を受けて世界需要は冷え込んだまま。日本国内の建設用鋼材も、東京五輪・パラリンピック後は市場の縮小が避けられない。国内の粗鋼生産量は07年の1億2千万トンをピークに16年は14%減った。

 両社がさらなる関係強化に踏み切り、鉄鋼事業を全面統合すれば、単純合算で純利益は150億~200億円になるとみられる。会計基準は異なるが、伊藤忠丸紅鉄鋼など他の流通大手と収益力で肩を並べる。

 鉄鋼流通は今後「再編モードに入る」(新日鉄住金幹部)との見方がある。住友商事は新日鉄住金と太いパイプを持つ。住商は今春、鉄鋼事業で本体に油井管事業だけ残し、それ以外の切り離しを決めた。今回の第三極形成へ向けた動きが、住商も交えた再編の呼び水になるかもしれない。



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