日銀短観:大企業・製造業DIはプラス12、2期連続の改善 – Bloomberg – ブルームバーグ

日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(短観、3月調査)の大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は昨年12月の前回調査に続き2期連続で改善した。輸出、生産が持ち直していることが景況感を押し上げた。

キーポイント

  • 景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いたDIは大企業・製造業がプラス12と前回調査から2ポイント改善ーブルームバーグ調査の予想はプラス14
  • 非製造業はプラス20(前回調査プラス18)と2015年9月調査以来6期ぶりの改善-予想はプラス19
  • 先行きは製造業がプラス11、非製造業はプラス16へいずれも悪化
  • 17年度の為替相場の想定は1ドル=108円43銭と、16年度想定レート(107円30銭)から円安水準に設定

背景

  日銀は3月16日の金融政策決定会合後の発表文で、海外経済の緩やかな成長が続く下で、輸出が「持ち直している」ほか、企業収益が改善する中で設備投資は「緩やかな増加基調にある」と指摘。個人消費も雇用・所得環境の着実な改善を背景に「底堅く推移している」中、鉱工業生産は在庫調整の進ちょくを反映し、「持ち直している」と評価した。

  一方、政府が23日発表した3月の月例経済報告は「景気は一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」との基調判断を維持。個人消費の判断を3カ月ぶりに上方修正したほか、企業収益も2カ月連続で判断を引き上げた。

  為替相場は足元でドル安円高方向に振れているものの、16年度の想定レートより大幅な円安水準で推移している。短観発表後の為替相場は1ドル=111円20銭前後で推移している。

エコノミストの見方

  • 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は発表後の取材で、「素直に改善していることを評価すべきだ。業種ごとにばらつきはあるが、景気は悪くない」と述べ、改善傾向にある輸出が生産や設備投資に良い影響を与えており、業績も良いと指摘。一方で、トランプ米政権の通商政策や英国の欧州連合(EU)離脱の不透明さがあるため、先行きは慎重にならざるを得ないとしている。
  • みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは発表後のリポートで、短観は「日本経済が緩やかな回復を当面続けそうだという見方を裏打ちする内容になった」としながらも、「金融市場の環境が急変して円高・株安が急進行する場合には、本質的に『エースピッチャー不在』の日本経済は、腰折れの危機にたちまち直面することになる」との見方を示した。
  • 三井住友銀行の西岡純子チーフエコノミストは発表後の取材で、「内外に不透明要因が多い中、緩やかな回復が続いているという内容をサポートする材料になる」と述べた。その上で、シナリオ通りに景気が緩やかに回復し、マクロ的需給バランスも引き締まっていることから、日銀は「現状の金融緩和政策スタンスを維持しても良いという容認姿勢だ」としている。

詳細

  • 17年度の大企業・全産業の設備投資計画(含む土地投資額)は前年度比0.6%増-16年度は1.4%増と前回調査(5.5%増)から下方修正
  • 中小企業の業況判断DIは、製造業がプラス5、非製造業がプラス4といずれも改善-先行きは0とマイナス1へ悪化見込む
  • 全規模・全産業の生産・営業用設備判断DI(マイナス2)は1992年2月調査(マイナス2)以来の不足超幅
  • 全規模・全産業の雇用人員判断DI(マイナス25)は92年2月調査(マイナス31)以来の不足超幅
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