【日本株週間展望】高値圏で堅調、円高警戒和らぐ-好業績に再視線 – ブルームバーグ

6月3週(19ー23日)の日本株は高値圏で堅調に推移する見通し。米国の連邦公開市場委員会(FOMC)を波乱なく通過し、過度な円高・日本株安への警戒感が和らいでいる。日本企業全体の収益は今期も最高益更新が見込まれ、割安感から金融や素材など出遅れセクターが買われる。

  大和証券によると、東証1部企業(除く上場子会社)の2017年度経常増益率は13%。上方修正件数から下方修正件数を引いて求めたリビジョン・インデックス(RI)は、15日時点で9.3%と前週から7.8ポイント改善した。直近週は建設・不動産と加工組み立てで上方修正が増えている。国内では19日に5月の貿易収支が発表予定。市場予想は輸出が前年同月比16%増、輸入が14.5%増となっている。東海東京調査センターの隅谷俊夫チーフストラテジストは、月ごとの輸出総額と日経平均株価の月足には連関性があると指摘。「過去の結果を示す経済指標から日本株の先を読むのは難しいが、今の株高を正当化できる」とみている。

  海外の経済指標は、21日に米国で5月の中古住宅販売件数、欧州では22日に6月のユーロ圏消費者信頼感指数が公表される。市場予想は米中古住宅が前月比0.4%減、ユーロ圏消費者信頼感が3%減だ。ちばぎんアセットマネジメントの加藤浩史シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、「米住宅指標は新築も含めトレンドが良くないが、指標低調を材料に売るほどでもない」との見方だ。このほか、米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長が20日に講演を行い、22ー23日は欧州連合(EU)首脳会議が開かれる。

  東海東京調査の隅谷氏は、日経平均が2015年6月の高値(2万868円、終値)を力強く上抜ける条件として「為替が大きくドル高・円安に傾き、日本企業全体の増収率が高まることが必要」と話している。第2週の日経平均は週間で0.4%安の1万9943円26銭と続落。米国株の最高値更新をけん引してきたテクノロジー株の調整が日本にも波及した。

  • ≪市場関係者の見方≫

富国生命保険の山田一郎株式部長
  「主要経済指標やイベントに乏しい『ノーニュース』の週に当たり、レンジ色が濃くなるだろう。米経済サプライズ指数がマイナス60に達するなど米景気懸念が残る中では長期的なドル高には時間がかかり、日本株独自の材料が出る4-6月決算発表まで方向感は出にくい。一方で、1ドル=110円前後では日本企業の収益状況は変わらない。PER14倍近辺で下値を売る理由はない」

ヴィレッジ・キャピタルの高松一郎最高投資責任者
  「FOMCなどの重要イベントを無事通過、リスクを取ろうという向きが多い。リビジョン・インデックスが足元で上昇、為替も落ち着き業績上振れ期待が一段と強まる公算が大きい。日経平均株価は15年高値の2万868円(6月24日、終値)に近づくこともあり得る。トランプ米政権に対する過剰な期待は既にはく落、ロシアゲート問題などで何らかの報道があったとしても、日本株への影響は限定的とみている」

ちばぎんアセットマネジメントの加藤浩史シニア・ポートフォリオ・マネジャー
  「目立ったリスクはなく、株式市場から資金が流出する状況ではないため、高値圏でグロース株からバリュー株への資金シフトが進もう。米テクノロジー株の下落を受け、日本の半導体製造装置株は行き着くところまで行ったとの見方からテクノロジー株に利益確定売りが出る一方、出遅れの金融や素材株に資金が向かう。国内企業の業績は今年度10%程度の経常増益見込みと好調、下値を売るのは難しく、日経平均の目先下値めどをPER14倍の1万9500円とみる。上値は6月2日終値の2万177円。日本の期待インフレ率が上がらず、バリュエーション面から上値追いが困難」

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