企業心理 霧晴れず 日銀短観、設備投資は微増 – 日本経済新聞



 日銀が3日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では大企業製造業の景況感が横ばいにとどまり、経営者心理を覆う不安の霧が晴れない実情を示した。円高懸念などで設備投資計画も盛り上がりを欠く。大型経済対策への期待感もあるが、訪日客消費の変調などで景況が上向く糸口をつかめないようだ。

 今回の短観調査の回答期間は8月29日~9月30日で、回答基準日の9月12日に大半の企業が回答を済ませた。

 外国為替市場で同時点の円相場は1ドル=102円程度。前回の6月調査時点に比べ約4円も上昇した。9月短観で輸出業が多い大企業製造業の想定為替レート(2016年度)は前回に比べ3円以上の円高方向に修正されて107円92銭となったが、実際の円相場に比べ6円近く円安に設定されたままだ。

 大企業全体の16年度の設備投資計画は前年度比6.3%増となり、前回に比べわずか0.1ポイントの上方修正だ。老朽設備の更新や人手不足に対応した省人化投資の需要は根強いが、市場が予想した6.7%増は下回った。 今回の短観では、4月の熊本地震で生産が一時滞った自動車や客足が鈍った観光関連の盛り返しが目立った。製造業では自動車の業況判断指数(DI)が大企業で前回比10ポイント改善のプラス8、非製造業で宿泊・飲食サービスは大企業で1ポイント改善のプラス12だ。

 ただ、熊本地震からの回復を追い風とする押し上げ効果は一巡する。円高を映して自動車の大企業による先行きの業況判断指数は足元に比べて5ポイント悪化のプラス3。宿泊・飲食サービスも大企業では4ポイント悪化するなど、円高リスクへの警戒感が広がっている。

 国内経済の先行きを巡っては政府の経済対策もあって底堅く推移するとの見方も多い。しかし調査対象企業全体の景況感を映す全規模全産業の指数は現状が前回比で1ポイント改善したものの、先行きは3ポイント悪化。期待感はそれなりに大きいようだが対策の実行が本格化するのはまだ先で、経営者も波及効果を読み込めない難しさがにじむ。




過去の統計データがご覧いただけます。

こんな記事も読まれています



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です