11カ国でTPP大筋合意、GDP7割占める米国抜きでも締結にはメリットあり – THE PAGE



 米国が離脱を表明して以降、残りの11カ国で再交渉が行われていたTPP(環太平洋パートナーシップ)協定が、大筋合意に達しました。米国抜きでのTPP(TPP11)についてどのように考えればよいのでしょうか。

写真:ロイター/アフロ

 米国も参加した当初のTPPは、5年という長い交渉期間を経て2015年10月に各国が大筋合意に達しました。しかし、選挙戦を通じてTPPに反対してきたトランプ氏は、大統領に就任すると即座に大統領令に署名。米国はTPPからの離脱を表明してしまいました。TPPは米国が主導権を握って交渉を進めてきた国際協定であり、その米国が離脱を表明したことによって、一時はTPPの存続そのものが危ぶまれる事態となりました。

 しかし日本など残りの11カ国は継続して交渉を続け、11月11日には大筋合意に達しました。これから各国での承認が必要となりますから、どう転ぶのかは分かりませんが、ともかく11カ国で交渉をまとめる算段は整ったわけです。

 TPP参加国全体のGDP(国内総生産)のうち約7割が米国という状況でしたから、米国抜きのTPPでは当初ほどの効果は得られない可能性が高いでしょう。政府はTPPの締結によって14兆円の経済効果が得られると試算していましたが、これは各種の条件を楽観的に見たものであり、当初から数字が大きすぎるとの声が出ていました。しかも超大国である米国が加わらないという状況ですから、TPPによる経済効果は大幅に小さくならざるを得ません。

 米国のロス商務長官は「米国の存在が多くの国にとってTPPに加わる動機だった」と発言しており、米国抜きでのTPPには意味がないとの見解を示しています。ただ、今後の貿易交渉の行方を考えた場合、米国抜きでもTPPを締結しておくメリットは大きいと考えられます。

 中国は、日本など16カ国が参加するRCEP(東アジア地域包括的経済連携)に力を入れており、もともとTPPからは距離を置いています。一方、TPPから離脱した米国は、各国と個別に2国間条約を結んでいく方針を示しています。2国間交渉は米国との個別交渉ですが、TPPが提携されていれば、これがひとつのたたき台となる可能性は高いでしょう。各国がうまく交渉すれば、米国との個別交渉をTPPの側に寄せることで、実質的に米国を協定内に取り込むこともできるわけです。

 また、中国が主導権の確保を狙うRCEPについても、TPPが存在していれば、ある程度まではTPPの内容がRCEPにも反映されることになります。日本などTPPの参加国にとっては、今後の交渉にゆとりを持って臨むことが可能となるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)



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