コラム:お墨付き得たマクロン大統領、最大の試練は失業対策か – ロイター



Swaha Pattanaik

[ロンドン 18日 ロイター BREAKINGVIEWS] – フランスのマクロン大統領が国内政治を一新する力を持っているのは、もはや疑いの余地がない。18日の国民議会(下院)第2回投票で、マクロン氏が率いる新党「共和国前進(LREM)」は圧勝した。これで同氏は自身が約束した政策を存分に実行できるお墨付きを得た。課題は、現在の経済成長を損なうことなく、将来の繁栄の土台を築くことだ。その意味でいくつかの重要な指標が、同氏が成功するかどうかを左右する。

最も大きな試練は失業率だ。マクロン氏は5年の任期中に、失業率を足元の9.6%から、フランスでは過去20年余りにわたって目にしたことがないという7%まで下げたいと考えている。そしてフランス経済は上向きの力が働いているものの、マクロン氏はただ運を天に任せているわけではない。最優先で取り組むのは、不当解雇への補償に上限を設けるなどの労働法制改革だ。同氏によると、改革で雇用が促進される。若年層の長期的で高水準の失業率を低下させるためには、職業訓練制度の改善も必要になる。彼らの失業問題は、極右や極左の政党支持の温床と言える。

しかし、労働法制改革は長期的なメリットをもたらす可能性がある半面、短期的なリスクをはらんでいる。改革が労働組合の反対を押し切って実施されるなら、労働者は保護されているとの安心感が弱まりかねない。それはフランス経済の成長エンジンである消費を圧迫する恐れがある。また質が悪かったり、賃金の低い雇用が創出されても、物価上昇局面では可処分所得を増やしてくれない。

だからこそマクロン氏は、税制や福祉政策を慎重に調整して消費者信頼感を維持しようとするだろう。

マクロン氏は財政政策面では、何人かの前任者に比べて支出できる余地が大きい。つまりフランスの財政赤字が欧州連合(EU)が上限としている対国内総生産(GDP)比3%を超えた場合に課せられる緊縮策を講じなくても済む。それでもあまりに大盤振る舞いをすることは許されない。フランスが財政規律を尊重する姿勢を示せば、ユーロ圏の統合をさらに推進する上でドイツの支持が得やすくなる公算が大きい。

フランスの公共投資の対GDP比は、2008─10年のピークから約1%ポイント低下した。経済協力開発機構(OECD)の統計によると、これはドイツの落ち込みの4倍を超える。公共投資を拡大方向に転じれば、潜在成長率を高めることができる。

マクロン氏が経済政策に関して「偉業」を成し遂げられるかどうか、そして2022年に再選を果たせるかどうかは、支持してくれた有権者に苦い思いを味わわせることなく、こうした長期的な目標を実現できるかにかかっている。



こんな記事も読まれています



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です