【コラム】中国経済崩壊論の行方 – サーチナ

日本経営管理教育協会が見る中国 第452回--水野 隆張■中國メディアが「中国経済崩壊論」は大げさな報道だったと主張

 20数年も前から「中国経済は崩壊する」と言われ続けてきている。しかしながら、その間も中国経済は成長を続け、国内総生産(GDP)は日本を追い抜き、OECD(国際協力開発基金)、IMF(国際通貨基金)などの各種国際機関の中期予測では、世界全体のGDP(国内総生産)に占める中国の割合は2015年の14%から24年には20%に拡大し、「米国を抜き世界一の経済大国になる」とまで言われている。最近では、中国のメディアでも「中国経済崩壊論」を批判する記事が掲載されており、これまで多くの中国経済崩壊論を主張する本が販売されてきたが、その間も中国経済は成長を続け、今でも崩壊していないと指摘し、今では多くの海外メディアが「中国経済崩壊論は大げさな報道だった」と認めていると主張している。

■好調な経済パフォーマンスの一方で「負の遺産」の高い壁が

 実際に、中国のマクロ経済は世界でも有数のパフォーマンスを保っている。GDPは減速したといっても、先進国主要国が0~1%台の低い水準で推移している中で、なお際立っていると言えるであろう。物価上昇率は1~2%台と安定しており財政赤字は対GDP比で約3%、累積債務の対GDP比は60%以下となっている。GDP比の2倍以上に達している.日本に比べて健全と言えるであろう。

 一方では、これまでの高度成長の「負の遺産」が積み上がり、乗り越えるべき高い壁が前方に立ちはだかっている。鉄鋼などの過剰設備や微小粒子状物質「PM2.5」に象徴される環境悪化、深刻な経済格差と腐敗汚職などが輩出している。

■欧米流の考え方だけでは中国経済を予測することはできない?

 これまで「中国経済崩壊論」では「負の遺産」ばかりが拡大強調されてきたが、欧米流の考え方だけでは計り知れない側面があるのではないかという反省が浮かび上がってきているようである。つまり、共産党一党独裁の抑圧的な政治体制の基では、民主的な自由を求めて民衆の不満が爆発しないはずはないという外国識者の議論は全く当てはまらないということである。

 中国人を欧米人ならびにその影響の強い日本人などと同じように考えるのは間違っているということである。一般の中国の人たちは、もっぱら自らの利益を求めての闘いにひたすら明け暮れており、他人にも国家にもあまり関心はないのである。

 既得権者は現政権を支持しているし、中国では元来民衆からの革命などというものはあり得ないということである。中国では個人の強さが卓越しており、彼らは政府に何かしてもらおうとは思ってもいない。政府とは利用するものとしか思っていないのである。

 とにかく中国人は自らの富貴しか眼中にないということである。現行の政府が崩壊しても顔色一つ変えずにそのまま商売を続けることであろう。

■第19回党大会において習近平政権の動向が注目されるところである

 とはいっても共産党一党独裁である限り政権の安定継続保持は注目されるところである。習近平政権が前任者たちのように2期10年ですんなりその地位を明け渡すのか? それとも「指導的核心」として居座りを画策するのか。2017年秋の第19党大会に於いて、次期主席候補をしっかり選ぶかどうかが当面の中国政治の中心テーマとなるであろう。(執筆者:日本経営管理教育協会・水野隆張)(写真は日本経営管理教育協会が提供。今も変わらぬ1996年撮影の天安門) 

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