今年がドルのピーク、マネーは米国から離れて行く-プリンシパル – ブルームバーグ

「今年はドルにとってピークの年だろう」ー。プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフグローバルエコノミスト、ボブ・バウア氏は、世界的に景気回復基調が強まる中で、グローバルマネーの米国離れが起きるとみている。

  バウア氏は20日のインタビューで、「一般的に世界経済が回復している時は、マネーが米国からより成長率の高いところに流れるため、ドルにとってフレンドリーではない」と指摘。「世界生産高をドルで見た場合、2015年は1930年代以降で最悪のリセッションだったが、昨年の第1四半期から回復が始まり、今や世界中で名目成長率がピックアップしている」とし、グローバルマネーの流れを変える環境が整いつつあるとの見方を示した。同社の運用資産総額は4000億米ドル(約45兆円)超。

  欧州の政治不安や米トランプ政権の保護主義的姿勢を背景に世界的なリフレトレードに一巡感が広がる中、ドル指数と米長期金利は昨年末以降、伸び悩んでいる。

  バウア氏は、ドイツや日本の国債利回りの上昇なしに、米長期金利がさらに上昇するのは難しいとした上で、欧州ではインフレ率が高まっており、夏以降にはドラギ総裁ら欧州中央銀行(ECB)のハト派トーンが弱まると予想。日本はデフレが終わり、年末に向けて日本銀行が長期金利の誘導目標を現在のゼロ%から0.25%程度に引き上げると見込み、「この両方が起こった時に米金利は一段と上昇する」と語った。

  一方、米国の金融政策については、「今年は2回、恐らく3回の利上げで十分」だとし、市場に準備させるためにも、次回利上げは3月でなく、5月か6月の公算が高いと予想。米長期金利は、年末までに3~3.5%まで上昇する可能性があるとみている。ただ、欧州や日本でも利回りが上昇しているため、ドルは「それほど強くはならない」と言う。

  トランプ米大統領の政策については、「米国や世界経済にとってかなりポジティブ」な減税・規制改革と、内容によっては「かなりネガティブ」な通商政策の「二つのトランプ」があるが、後者についてはすでに一部主張を軟化させており、米政府は税制や規制改革に重点的に取り組むだろうと語った。
  
  市場ではトランプ政権の為替政策に対する警戒感も強い。バウア氏は、トランプ氏はドル高は製造業の雇用を増やすという目標にとって助けにならないとコメントしているだけで、ドル高是正で行動を起こすとは思わないと指摘。そもそも世界の準備通貨であるドルの水準に対してトランプ大統領ができることはほとんどないとし、「トランプ氏はいくつかツイートする以外、ドルにあまり重点を置かないだろう」と述べた。

  ドル・円相場については、年後半に120~125円へ上昇する可能性はあるものの、それ以上のドル高・円安進行の可能性は低いと予想。日本の利上げが遅い中で、110円を超える円高も考えにくいと語った。

  バウア氏は今年の米経済について「3%に近い」成長を予想。「世界経済において最も重要なのは根本的な経済状態であり、われわれがまだ2015年のリセッションからの著しい回復局面の最中にあるということは、根本的なファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)はかなり良好で金利の方向性は緩やかに上向きということだ」と指摘した。

  その他の発言の要旨は以下の通り。

  • 株に対して強気。特に米国株やヘッジベースの日本株は5~10%程度の上昇余地
    • 一部ディフェンシブ株、有配株は割高。景気循環株、バリュー株および小型株の上昇を予想
  • 金利上昇でほぼ全てのソブリンボンドを推奨せず。社債はオプションも、デュレーションは短め
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