横浜市の2016年人口動態調査 死亡が初めて出生超す – 東京新聞

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 横浜市が三月にまとめた二〇一六年一年間の人口動態で、出生から死亡を差し引いた「自然動態」が二千八十四人の減少で、一九四七(昭和二十二)年の調査開始以来、初めてマイナスになったことが分かった。転入から転出を引いた「社会動態」は八千四百八十五人の増加で、全体の人口動態は六千四百一人の増加だった。ただ、子育て世代は流出超過で、原因の分析と対策が求められる。 (志村彰太)
 出生は二万九千七百四十九人で初めて三万人を下回り、死亡は三万一千八百三十三人だった。出生は一九七二年の四万四千百七十六人をピークに減り続け、死亡は六四年の五千五百十七人を下限に増え続けている。
 区別の自然動態は、南区(八百三十七人減)や旭区(八百十六人減)など、六十五歳以上住民の割合を示す高齢化率が市内平均より高い十一区で減少。若い世代の多い港北区や都筑区などは増加した。
 社会動態では、転入が十四万八百二十九人、転出が十三万二千二百三十四人だった。東京都に五千三百十人が流出超過したほか、県央地区や相模原市、川崎市、千葉県などにも転出超過。代わりに静岡県や大阪府、北海道からの転入が補った。市によると、東京都への転出は二〇〇〇年以降、一貫して増えている。
 年齢階層別の社会動態は、二十代で八千人以上の転入超過だった一方、ゼロ〜十四歳と三十代以上は転出超過。特に三十〜四十代の転出が目立ち、七百五十八人の転出超過だった。子育て世帯が子どもと共に市外に転出しているとみられ、国内全体で少子高齢化が進めば若い世代の流入が減り、社会動態も減少に転じる可能性がある。
 三十〜四十代の転出を区別に見ると、港北区(六百二十五人減)や神奈川区(五百四人減)、西区(四百十人減)などが顕著だった。この三区は十四歳までの子どもも転出超過だが、二十代では転入が上回っている。学生や社会人になって流入してくるものの、子育てに入ると引っ越してしまう傾向がうかがえる。
 市政策課は「共働き世帯が増え、通勤に便利な都心に引っ越しているのでは」と推測する。ただ、県央地区など都心から離れた場所にも転出超過であることから、小児医療費負担や学校給食の実施状況、保育所の整備などの子育て施策について、横浜市と他自治体を比較してより子育てしやすい環境を選んで転出している可能性もある。
 同課は「市内では、二〇年から全体として人口減少に入ると推計している」とするが、転出の状況を放っておけば想定よりも早く人口減少に転じる懸念がある。担当者は「転居理由をアンケートなどで集め、分析する必要がある」と話している。

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