米FOMCは雇用統計にとらわれず-利上げ後押しする3つのデータ – ブルームバーグ

まるで米連邦公開市場委員会(FOMC)が目の前で行われているようだった、と語るのはルネサンス・マクロ・リサーチのエコノミスト、ニール・ダッタ氏だ。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長、ニューヨーク連銀のダドリー総裁、フィッシャーFRB副議長、ブレイナードFRB理事は先週、講演や発言を通じて相次いで金利引き上げに向けて市場予想を揺さぶり続け、利上げはほぼ確実なところまで織り込まれた。

  注目すべきは、10日発表の2月の雇用統計を前に米金融当局幹部が予防線を張る必要性を感じていないことだ。幹部たちが利上げに踏み切るのに十分な確証を恐らく得ていることを意味する。以下のデータは利上げが必要だと強く示している。

  イエレン議長の指針の一つは、景気の刺激にも減速にもつながらない「中立金利」の推計に基づく金利設定だ。議長は3日の講演で、当局のおおまかな推計として、現行の中立金利はインフレ調整後でゼロ近辺で、長期的には1%まで上昇する可能性があると発言していた。現在の実質フェデラルファンド(FF)金利はマイナスなので、今は景気刺激的となっている。

  FOMCが昨年12月に発表した経済予測によると、実質FF金利を2018年までにゼロ前後まで徐々に引き上げ、19年までに1%にするのが戦略だ。上記チャートは、インフレ率が緩やかに上昇する中、何もしないでいると実質的にゴールと反対方向に進むことを示している。インフレと雇用の目標をほぼ達成しつつある状況にあって、実質金利のマイナス幅拡大はいかなる中央銀行にとっても行動を起こす強力な動機となる。景況感や国内総生産(GDP)予想が上向いているならなおさらだ。

  FOMCは他にも異例の事態に向き合っている。15年と16年それぞれの12月の利上げ後に金融環境が一段と緩和していることだ。金融当局が短期金利を引き上げる際は、住宅ローンから社債に至るまで市場全般で資金調達コストの上昇を想定する。FOMCの利上げが極めて小幅だったことは確かだが、市場が無反応だったことを踏まえると、利上げに伴う資金調達コスト全般への影響はほとんどなく、加速の様相を示す景気はほぼ抵抗なしのままであることを意味する。

  最後になるが、イエレン氏が14年の議長就任以来、第一に気に掛けてきたのが労働市場だ。改善は緩やかだが、経済指標はこの先スラック(たるみ)がほとんど残されていないことを示唆している。下記チャートが示すように、パートタイム雇用者数は08年半ば以来の低水準近辺まで減っている。1月の580万人まで100万人削減するのに2年を費やしており、このようにゆっくりした前進がイエレン氏の辛抱強い政策の背景にある。だが、昨年12月の水準は08年6月以来の低水準に落ち込んだ。

原題:Fed Not Waiting For Jobs Report As These Indicators Say Go(抜粋)

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